「制作当時に見れば怖かったかも」日本沈没(1973) Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)
制作当時に見れば怖かったかも
昔の映画なので、災害のスペクタクルシーンにミニチュア感があるのは仕方ないかな。
ヒロイン役のいしだあゆみさんはきれいで色気もあるけど、演技はあまりお上手ではないですね。w 物語上のポジションとしても、主人公の行動を決めるきっかけになる以上のものが与えられていないので、必要性は感じられません。
もう一人、老人の世話をしている若い女性も本当に世話をする役だけだったので、この当時の映画では女性に大きな役割を与えるのは難しかったのかもしれません。
若い頃の藤岡弘が主人公ですが、現代の役者さんと比べると顔も演技も濃いですね。他の役者さんも貫禄がある方ばかりで、昔はおじさんがおじさんらしくしていてよかった時代なんだなと思います。
ほんの数ヶ月で日本の国土が海に沈むという展開は荒唐無稽過ぎて現実味がないですが、実際に沈まないと盛り上がらないので、物語としては沈むしかないのかも。
映画のメッセージとしては、日本民族がかつてのユダヤのように流浪の民になっても致し方なし、という雰囲気をちょっと感じました。渡老人と首相が語り合う場面や、最後に田所博士が日本に残るといった場面など。物質的には豊かになったが、精神的には貧しくなった、という意識が当時の日本の一部にあったのかもしれません。
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