劇場公開日 2012年7月14日

「原作がいい。」ヘルタースケルター ナミックスさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0原作がいい。

2013年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

萌える

原作の岡崎京子ファンです。
キャスト・映像、2012年版としては話題性も含み面白い作品。

岡崎さんの漫画は中学生のころに出会い、はまりにはまって何度も読んだ。
本当の岡崎ワールドは違うんだ。
もっと残酷で、悲しみは常に怒りと直結している感じがこの作品で
でなかったところ。ちょっとだけ、りりこに同情しちゃう。
これが紙ではなく映像にした時の人間味だと思った。

原作のりりこには同情はできない、落ちぶれていく姿が滑稽で、
でも、闘っていく姿は異常を感じる。
人の欲望を描いてるのが、岡崎ワールド。

映像も美しく(浜崎あゆみの曲はいらないけど)、沢尻さんもキレイ。
目で見るならこれで満足。

原作が、良い。につきる。

記者会見など、沢尻さんへの注目度が高かったけれど、
2003年に・・いやもっと前から、こんな作品を書いていた
岡崎さんを評価してほしい。もっと、大事に。
DVDの特典映像で監督が言った
「へルターやりたい」というコメントは悲しかった。

岡崎ファンにとっては一大事だもの。
どうやったって、新しい岡崎作品が生まれない今
原作ファンを納得させれないと思うから、
いっそのこと、もっと人間くさくしちゃえばよかったのに。

これだけのキャストならなおさら。違うものに仕上がってもよかった。
蜷川さんには、原作より良いものを作れる監督になってほしい。

さすが寺島しのぶ。

ナミックス