「やっぱし巨大ロボって映画映えする!」パシフィック・リム ウータンさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱし巨大ロボって映画映えする!
怪獣、巨大ロボファンの自分にとって、こんな映画をずっと待ってたんだ!という大興奮の130分でした。途中何度「うおーっ!」と叫びそうになった事か!
全編通して、100m近い大きさの巨大ロボ・イエーガーと大怪獣が全力で殴り合う凄まじい映像と音に圧倒され続けますが、とにかく巨大感の表現が素晴らしい。
嵐の海での夜戦というロケーションが絶妙で、イエーガーと怪獣が巻き起こす波もさることながら、振動で弾けたりタービンに吸い込まれたりと、雨粒に色んな演技をさせていてロボットの巨大さをより鮮烈に見せてくれている。
機体各所に設置されたサーチライトの効果も相まって、まるで摩天楼のビルが歩いているような迫力が出ていたし、見栄えがする映像になっていたと思います。
あとは音。イエーガーが怪獣の顔をブン殴る「ドカーン!」という衝撃音の凄いこと(笑)
個人的には人型であるならばこそ、敵はパンチでノすのがそれらしくて良いと思いますね!
何より、イエーガーも怪獣も皆カッコ良い!批判を恐れて変にアクの強い物を作るのではなく、俺がカッコいいと思う物はこういうのだ!と、真っ向勝負で見せつけてくれたと思う。
レトロでいかにも「鉄人」といった雰囲気の主役機ジプシー・デンジャーをはじめ、イエーガーはみな三者三様の魅力があるし、敵怪獣にも日本の怪獣映画へのリスペクトが溢れている。鉄橋を突き崩すアックスヘッドのカタルシス、嵐の海を突き破って現れるナイフヘッドの何とカッコいい事か!
回想や世界観解説シーンも含めれば相当な数のイエーガーや怪獣が登場していて、よくぞここまでやってくれたと思う。
二人一組となって全身の動作を機体に伝える独特な操作法も面白く、操縦桿スタイルでは決して作り得ない臨場感や会話シーンを実現していて、画期的だったと思う。
総じて言えば、物語性よりキャラクターや演出などで映画を見る、フィーリング重視の人向きだと思う。映画はストーリーだ!って人にはツラいかも。
正直な所、物語に厚みが無いと言えるしツッコみ所もあるものの、破綻していると言う程では無い。映画を盛り上げるガジェットは細部まで作り込まれていて、少なくとも何となくで作った作品でない事は確かです。
そんなちっぽけな失点に霞むレベルの作品ではないと評価したい。
公開から一ヶ月経ちましたが、まだ多くの映画館で上映されているので、躊躇している人にこそ、映画館に足を運んで観てもらいたい!!