「特撮・アニメファン必見の超大作だ!!!」パシフィック・リム ○○男さんの映画レビュー(感想・評価)
特撮・アニメファン必見の超大作だ!!!
メガ牛丼に鰻・カツ・海老天がのった!!
特撮・アニメファン必見の超大作だ!!!
お台場ガンダムに参拝して拍手を打ったというデル・トロ監督の男気とオタク気に溢れた一品だ。
のっけから、2013年から始まる大KAIJU戦争の歴史が語られ、タイトル前に早くもド迫力の一戦。そして本編では5年後2025年の数日間が描かれる。
かって人類反攻の切り札だった巨大人型兵器イェーガーも年々パワーアップしてくるKAIJU軍団におされ気味。巨額の開発費と消耗リスクを恐れた政治家たちはイェーガーチームへの予算打ち切りを通達する。
これまで数10体生産されてきたイェーガーも生き残りは4体だけ。イェーガーチームはKAIJUの出現する異次元孔を塞ごうと最後の作戦に賭ける。
導入部はこんなところだが、とにかくイェーガー・KAIJUの造形・アクション・カメラワークがいい。リアルな格闘戦を重量感たっぷりに見せ付ける。手足をもがれながらも死闘を続ける巨大ロボと怪獣たち。かってない大迫力だ。
格納ハンガー、コックピット、パイロットスーツと作りこまれたディテール。
タメを効かせた出撃シーンに感動だ。
マスタースレイブ機構をベースにニューロリンク、音声入力も交えた操縦システムもいい。パイロットのアクション・心理を派手に表現できるし、必殺技も絶叫できる。
キャラの立て方もわかりやすい。
イドリス司令は特にイイ。立ち姿だけで絵になる。ジャパニメの司令官役にはヒネリの利いた性格を付け勝ちだが、直球なのが逆にいい。「AKIRA」の大佐がモデルらしいがいかにもアメリカ軍人らしくGood。ただし、日本製イェーガーに乗ってて被爆?ちょっと微妙な設定だ・・・
凛子隊員も強くて可憐で陰のあるジャパニメ調のヒロインをうまく演じている。メイクの濃さに比べてツンデレ度は抑え目だがグローバルを目指すには致し方ないところか。
短いが愛菜ちゃんの泣きの演技にも脱帽だ。これでブルーバックでの収録だというのだから恐れ入る。
ハナム隊員はヒーローにしては影が薄いが、主人公が薄いのは近年のジャパニメでは定番だ。ここ一番でオトコを見せろ。
オタ博士コンビに臓器ブローカー氏も説明不要の怪しさをかもし出してる。
豪州確執親子もいい感じだ。
中国三つ子やロシア鉄面夫婦にももっと尺をあげたかった。
メインの戦闘シーンでは主役のジプシーの活躍はいいのだが、他のイェーガーたちの扱いがちょっとさびしい。チェルノ君など敵を羽交い絞めの自爆するには格好の機体なのにと思うのだが、香港近海での核爆発はさすがに遠慮したのか?
メガヒット中の中国でも紅嵐君の活躍が少ないと文句が出ているらしいが、監督は予算が足りなかったんだよ~と弁解に努めているようだ。ちなみに中国語吹替え版のロケットパンチは「天馬(ペガサス)流星拳」らしい。いや、連打してないだろうと思うのだが。
中国版では本多猪四郎のほかにも永井豪、富野由悠季らへの謝意がクレジットされているという。いや、さも有りなん。
ガンフロンティアのアメリカ人にとって、例えモンスターといえども撃たれても死なない生き物にはリアリティを感じないようだ。モンスターの始祖キングコングからして機銃掃射で死んでしまうし、我らのゴジラすらハリウッド産では通常ミサイル数発くらっただけで昇天している。
その点日本の怪獣は自衛隊の総攻撃を受けてもかすり傷ひとつつかない。ただの生き物ではなく大自然の生んだ荒ぶる神だ。
KAIJUたちは今のところその中間ぐらいの強さか?荒ぶる神というよりもクトゥルフ神話の邪神群といった趣も感じるのだが。(デル・トロ監督は本作の前にクトゥルフ物を撮ろうとして取りやめになったことがあるらしい)
いずれにせよ、この作品がハリウッドのモンスター感の転換点になるかもしれない。
結末は核は世界を救うってことになるのだが、ココんところは実にアメリカンだ。
ID4やアベンジャーズでもそうだったが、いくら相手が宇宙人(異世界)でも核をぶち込んでそれで解決って言うのは日本人にはドーヨと思う。せめて非核新兵器にしてよっとも思うのだが、これもアメリカン・リアリティってやつか?
多少の不満やツッコミはあるが、それはもっと見たいぞの裏返し。
ぜひとも続編、そしてシリーズ化、ついでにスピンオフ作品の発表を切に願って〆としたい。