「難しいことは考えなくてもいい」パシフィック・リム かずのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
難しいことは考えなくてもいい
人間ドラマやストーリー、シナリオ、いろんなところに突っ込みどころがあるのは間違いない。
しかし本作はそんなところは全くどうでもいい映画だ。
ただ単に、巨大カイジュウと巨大ロボットがどつきあうという映像を楽しむための映画なのだから。
むしろこの映画を見て主人公の心の葛藤がどうとかシナリオが一辺倒でガキくさいとか言ってしまう(+自分の感性に合わないからと星1とかにしてしまう)輩はまさににわか映画通なのであろう。
映画というのは視覚的エンターテインメントであって、本来は見て楽しむためにある。
ごちゃごちゃ難しいことを考えたいなら本を読め。
たかが2時間そこそこのアクション映画に何を求めてるんだ…。
パシフィック・リムはまさに和製SF好きのオタクオヤジが自身の好奇心と自己満足のために作った自慰映画である。
しかしだからこその面白さ!
細部までこだわりにこだわり抜いたロボットの造形や、随所に散りばめられた数々の日本ロボアニメ・特撮映画へのオマージュ。
カイジューが海中から現れる様はまさにゴジラを彷彿とさせ、私が小さかった頃に感じた巨大生物への畏怖を思い出させてくれた。
素晴らしい!
以下ネタバレです。
総じて高評価ですが、唯一ラストで司令官がチャックを逃がしてあげなかったのがさすがに気になる点で、普通に道ずれはちょっと…。
お前は逃げろ!とか言って司令官が一人で自爆、みたいな方が司令官さらにかっこよくなりますよ(笑)
むしろどうせならチャックが怪我してお父さんと司令官が一緒にイェーガーに乗る展開の方が燃えたと思うんですよね…。
監督にそうしなかった理由を聞いてみたいところです。