「海を越える握手」パシフィック・リム 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)
海を越える握手
付き添いで観に行って、も~う最~高~だった作品(笑)。
感謝の気持ちでいっぱい!
【♪海を越える握手】
監督がスクリーンの向こうから、5秒に1回右手を差し出してくるのがわかる。
ロボットの発進準備、「ワクワクしない?」右手
パイロットの搭乗準備、「ワクワクしない?」右手
大嵐をものともせず出撃、「ワクワクしない?」右手
突如襲い掛かってくる恐ろしい怪獣、「ワクワクしない?」右手
これが2時間続く。
なんかもう、そのド直球なサービス心と、とんでもなく手間ヒマかかった映像が、愛おしくて愛おしくてたまらないw。
私、マーベルとかトランスフォーマーとか全然興味ないんだけど、これは別バラで楽しんじゃった。
劇中で出てくる「ブレイン=ハンドシェイク」という用語がズンと胸に来た。
産まれや育ちの違う二人が、過去を共有し合ってイェーガーを操縦する仕組みのこと。
これ、「マジンガーZやガンダムを子供の頃から大好きだったボクたちなら、年齢性別人種国籍を越えて仲間になれる!」という希望なんだね。
泣く!こんなん泣く!
どんだけ優しいんだよ、
どんだけ純粋に、コンテンツの力を信じてんだよ!?
でも、これは実感あるわ。私も音楽でいろんなひとと仲良くなれたし。
しかもメキシコからアメリカに渡って、力を尽くし何十年もかけて、日本のコンテンツに返礼をくれたという暖かさ。
宇多丸さんの言葉を借りれば「ここまでしてもらって文句なんか言ったらバチがあたる」。
【ここに怪獣あり】
監督曰く、「これはロボット映画でなく、怪獣映画だ」とのこと。
筒井康隆のショートショート『ここに恐竜あり』を思い出した。
商業用マスコットにされ飼いならされたイメージを払拭するべく、生き残ったティラノサウルス(小説家の隠喩)がドギツいスプラッタ惨劇を繰り広げるというお話。
デル=トロ監督も、本作で怪獣の"美学"を再生復興し、後の世に伝承しようと願ったのかもしれない。
怪獣たるもの、このように登場し、このように闘い、このように倒されるべし。
作品化して刷新し、新たな命を吹き込んで延命させる。
苦心のクリエイターが本懐を遂げた、祝福されるべき一本!
心から、ありがとうございますm(_ _)m
忝いッ!
ただゴメン、ホラーとグロいのNGなのでミミックはパス(^^;)スプライスは頑張って観たよ!!