劇場公開日 2013年8月9日

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「色々と悔しい映画。 そして重厚感テンションのアゲアゲMAX!」パシフィック・リム 野球十兵衛さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0色々と悔しい映画。 そして重厚感テンションのアゲアゲMAX!

2022年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

バカ脳の私に相応しくて面白いエンタメ作品を何か観てみよう!と思い。
手持ちのDVDからエンタメ王道一直線のこちらをチョイスです。

結論、やっぱ全盛期の藤川球児渾身のどストレートばりに凄いわ!です。

でも…
悔しいんだよ!この映画!
何がって!本来なら日本が作るべき映画だったんだよ!
ガンダム以降、日本がコロっと忘れ去っていた巨大ロボvs怪獣のお家芸をハリウッドに先越されちゃったんだよ!
てか、撮影技術的云々もさることながら、資本で負けちゃってるんだよ!
それが証拠に、チャイニーズイェーガーは見せ場あるのに、ジャパニーズイェーガーの登場シーンがないんだよ!

悔しいんだよ!この映画!
劇場で観てないんだよ!4DX&3Dで観たかったんだよ!
当時は地下アイドルさんの追っかけなんてやってたもんだから、他のことやる余裕がなかったんだよ!

悔しいんだよ!この映画のメインテーマ!
ギターさえ弾ければギュインギュインにコピーしたいんだよ!エレキギターは持ってるんだよ!
中古のパチもんエレキ買ってSmoke on the Waterのイントロ弾ける程度(笑)のところで挫折しちゃったんだよ!

えっとね、しょっぱなから冷静さ欠いちゃったですよね…
(⌒-⌒; )
ほんっと血沸き肉躍るってこういう感じなのね。
巨大ロボvsKAIJUですよ。“MONSTER”じゃなくて“KAIJU”ですよ。

小学生男子の夢の実現ですよ。
リアル東映まんがまつりですよ。
ほんっとにね、すげぇの。
『トップガン:マーヴェリック』以前にこちらを劇場のIMAXで観ることができていたなら、面白かった順位は逆転していたかもですね。
「ヒャッホー!」って唸ったディテールを先に挙げておくと、パイロットスーツ固定時のインパクトドライバーぎゅい~ん!とか、脊髄神経接続ユニットがっしゃん!とかヘルメットからのデータ伝達ジェルにゅい~んだとか。
いちいちツボを押さえてくるの!
指圧の心母心押せば命の泉湧くだよ!浪越徳次郎だよ!←知らないですよね…こんなの…
いちいちだよ!
操縦方式がジャンボーグAなんだよ!しかも動作がいちいち機械の重機感満点なんだよ!
映画でこんなにメカの重機感見せてくれたのって『ガンヘッド』と『エイリアン2』のパワーローダーとコレの他にはないよ!(観てきた中ではね…)
うーでが動くよガシャッシャーン♪あーしも動くよガシャッシャーン♪科学の威力だ鋼鉄イェーガー♪だよ!
(そうなんですよね、イェーガーって科学の粋を結集して作られてるのに、装甲は何とか合金じゃなくてただの鋼鉄なんですよね。てか、なんなんだよこの歌・笑)
操縦のリアル寄りの生々しい動きがいいんだよ!
戦闘のメインがガッシャンドッコンBAGOOOOON!の肉弾戦なのがいいんだよ!
観てる側があたかも自分が動かせているかのように没入できるんだよ!IMAXなら完璧にだよ!
なのに、腕がすぐにもげちゃうのもレッドバロンみたいで弱っちくていいんだよ!
また…いつもの悪いクセだよ。落ち着け自分
クールダウン…クールダウン…

でもね、本当にそう思うの。
で…私、映画ファンのくせに映画の基本に全く疎いじゃないですか。
だから、監督さんがギレルモ・デル・トロたって、そんなの知らないの。
そんなの関係ねぇ、おっぱっぴーですよ。
トロさんがどんな映画をどんな作風で撮ってきたかなんて、全く知らないの。
ただこの一作を生み出してくださっただけで、トロさんに感謝ですよ。
日本が作ってきて、新たに作れたはずなのに、ついに自分たちでできなかった映画を作ってくださったことに大感謝だよ。
トロさん、ありがとうございます。(だから誰だよ…トロさんって…)
思えば『シン・ゴジラ』って、庵野さんの「やろうと思えば俺らダッテ出来ルンダ!!!」みたいな。
ジャック・ハンマーみたいな。←なにそれ…
そういう動機(ジェラシー)で作られたっぽいのかな?とか勝手な勘繰りしったりしちゃったりして。
「エヴァぱくるなし!」みたいな。
でね、かなりよかったって思うのが、CGバリバリ伝説のはずが、決してそう見えないの。
どのシーンもKAIJUやイェーガーの動きの重厚感でCGっぽく見えないの。
ヘタすると生身着ぐるみ感満載みたいな。
このあたり巧く作ってるなぁ、って思っちゃったの。
日本のVFX技術じゃ、まだまだ敵わないかな…って思っちゃったの。
あと、やっぱり言い尽くされているところだけれど、芦田愛菜ちゃんの迫真の演技が絶品なの。
マコの過去が明らかになる件は無理がなくて、すんなりウサギを追えたの。あのシーンのKAIJUの迫力も満点だったし。

ツッコミどころもあるっちゃぁあるんですよ。むしろ意地悪に上げ足取っていけばその方が多そうな。
えっ?戦うための兵器作るんじゃなくて、あんなショボい壁おっ建てる方が大事?頭蛆湧いてね?とか。
えっ?あんな超兵器生み出すテクノロジーあるのに、壁は人がよじ登って溶接機やサンダーで作ってるんだ。とか。
チェルノアルファってネーミングセンス、ロシア人のトラウマ的にどうなん?とか
KAIJUの体当たりで損壊するような脆い機体なのに、ロケットパンチでは拳が自壊しちゃわないんだ。とか。

あとね、ちょっと惜しいかな…って思うところもあるにはあるのよ。
マコ役の菊地凛子さん。これ、批判覚悟の個人的好みの問題で言うのですけれど。
どうも米国人がイメージするエキゾチックな日本美女感が強すぎるって思っちゃったの。
米国人なら、リカちゃん人形じゃなくてバービー人形を選ぶような。
私ならリカちゃん人形を2体飾っているので(マジか!)菊池さんと同い年の広末涼子さんを役に当ててほしかったな…とかムチャなリクエストを…と(笑)
私もリカちゃん人形みたく1500円程度で着せ替え遊び楽しんでみたい(///ω///) ニッセンのリアル女性服はお値段高いんだよ。←女装ネタもぶっこんでおきましたよ…っと
あとね、できることなら、もっと秘密兵器とか必殺技の名を叫んでほしかったかなと思い。
吹き替え版で「雷雲旋風拳だ!(サンダーガードフォーメーション)ッッ!!」とか「エルボーロケット(ロケットパァァァーンチ)!!」ってやってたじゃないですか、あのノリで。
「プラズマ砲(キャノォォォーン)ッッ!!」とか「原爆拳(チェルノクラァァァーッシュ)ッッ!!」とか(なんじゃそりゃ!)「チェーンソォードォォォッッ!!」だとか「ギャラクティカマグナム!BAGOOOON!!」みたいに。←これ、全然ちがうから。関係ないから…
そういう外連味ってこの作品にピッタリやん?違うか…(^_^;

そして何よりも惜しいのが、続編『アップライジング』で完全失速しちゃったこと。
“コケちゃった”とまでは言わないけれど。否!あえて言おう!ダメであると!
せっかくここまで作ったのに。アレじゃ三作目はないかな…と思い。どうもやる気満々のようだけれど。
喜ぶべきか?嘆くべきか?やっぱりトロさん体制以外じゃ荷が重すぎるってこと?
それはそれで別レビューで書くことか。
こっちは劇場で4DX&3Dで観て、スクリーンにはド迫力あったのに、妙にガッカリした記憶があるんですよ。
今ならアマプラでタダ観できるけれど、あえてまた観るかなぁ?微妙…

野球十兵衛、