「宇宙的恐怖と人間賛歌」ゼロ・グラビティ Gonzoさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙的恐怖と人間賛歌
広大無限の広がりと果てしない時間の宇宙と、塵芥のような人間個体の生命。個人的な話をさせてもらうと、小さい頃木星や土星が巨大な冷たいガスの塊であることを何かで読んで、震えるほど怖かった。ありえないけど、もし万が一その塊に放り込まれたらどうなるのかと想像をたくましくして恐ろしくてしょうがなかった。そんな宇宙に対する畏敬の念をよくも映像化してくれた、という感想を抱きました。
窮屈な宇宙服のすぐ外は空気もない極寒の宇宙、そんな極限状況で作業をするライアン博士が事故で放り出されるシーンから緊張と恐怖が飽きさせることなく続いていきます。僥倖にも等しい帰還への可能性を探る執念は、人間賛歌のように思えました。
ラストの大気圏突入シーンは圧巻で、そのためだけにもう一回劇場へ足を運んでもよいと思ったぐらいです。
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