「孤独と不安と」ゼロ・グラビティ ブレイブさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独と不安と
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無重力世界を不自然さを感じさせず見事に描ききった映像は賞賛に値しますが、
この作品の真に素晴らしい点は舞台と視点の限定化にあると思う。
宇宙開発における事故と生還を扱った作品といえば『アポロ13』を思い浮かべる人も多いと思いますが、あちらでは宇宙飛行士を救出するべく地上の基地との連携が肝となっていますが、本作では地上のヒューストン基地は通信による音声でしか描かれず、しかもその通信は事故後は一切途絶えてしまうのだ。
勿論、ヒューストンの人達も主人公達を助けようと尽力している事でしょう。
ですが、それを描けば地上との絆が生まれてしまう。
その絆は希望になり安心感に繋がってしまう。
この映画は、その絆を排除することで登場人物にとってだけで無く我々に観客にも、広大な宇宙空間に閉じ込められた孤独と不安とを与えてくれます。
その演出が見事なカメラワークと映像表現と一体化して、画面に引き込まれそうな錯覚を感じさせてくれます。
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