「怪獣映画クラスの家族喧嘩!」タイタンの逆襲 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣映画クラスの家族喧嘩!
前作から2年、神話には無いオリジナルの物語が繰り広げられる続編。
前作と比較すると登場人物の数やモブ(群衆)シーンは減ったが、
大スケールのアクションが増えた上、物語のテンポも軽快なので、
結果的に前作よりスケールもドラマの密度も増したように感じられる。
あと自分、子どもの頃に怪獣映画が大好きだったんですね。
たしか劇場で初めて観た実写映画は『ゴジラVSキングギドラ』、
劇場で初めて観た外国映画は例の
『仏水爆実験でデカくなったイグアナが何故かNYで暴れる映画』ですよ。
『インモータルズ』の小っちゃなタイタン族に
「ぜんぜん巨神じゃないじゃん!」と不満タラタラだった僕としては、
設定身長500m(爆)という今回のクロノス様の登場にガキんちょみたく興奮した訳です。
腕の一振りで街を壊滅させる圧倒的スケール!
イエス、これぞ巨神!
更には他の怪物たち——特技多すぎなキメラや顔が超怖いミノタウロスも大暴れ!
人間サイズだが戦神アレスとペルセウスの一騎討ちにも燃える燃える!
最後はクロノスvsまさかの最強タッグの頂上対決!
これじゃ、こういうド派手なギリシャ神話が観たかったんじゃッ!!
美的センスの高い方は美術面に優れた『インモータルズ』が断然好みだろうが、
やっぱ僕はこれくらい見所満載の熱苦しい映画が好き。
それに今回はドラマも熱い。
ゼウスとペルセウス、ペルセウスとその息子の父子の絆、
ゼウスとハデス、ペルセウスとアレスの兄弟の確執。
それぞれの決着に胸が熱くなります。
ま、不満もある。
クライマックスにおけるクロノスの“巨大感”の演出についてだ。
前作『タイタンの戦い』は個人的にはまあまあな出来の大作映画だったが、
クライマックスの演出だけはズバ抜けて見事だったと記憶している。
巨大な怪物“クラーケン”が海からせり上がってくるシーンがそれだ。
群衆と怪物をひとつの画面に収め、それを人の目線(ローアングル)から捉える。
と同時に、馬を駆るペルセウスをカメラが猛然と追い掛ける……。
あのシーンには思わず鳥肌が立った。
『大きさ・速さの比較対象を画面に置く』
『ローアングルで撮る』
といった“巨大感”の演出が本作には不足してたかな。
最終決戦のスケールを更に打ち出して、ラストをもっと盛り上げて欲しかった。
けどメチャクチャ楽しめた!
GWの映画に本作なんていかがでしょ?
<2012/4/21鑑賞>