「作れば作るほどに・・・」タイタンの逆襲 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
作れば作るほどに・・・
前作のラストで、ゼウスの力によって蘇り、ペルセウスの妻になったはずのイオがどうなったのか気になるところ。イオを演じたジェマ・アータートンのクレジットがないのが残念。イオのその後については、映画が始まって早々に語られる。
今回のヒロインは、前作で怪物クラーケンへの生贄から逃れた王女アンドロメダに置き換えられている。81年版の「タイタンの戦い」に回帰したとも言えるが、リメイク版だった前作で唯一のオリジナル要素がイオの登場だっただけに、自ら独創性を放棄したことになる。
そのアンドロメダも王女からアルゴスの女王となり、前作のフランス系女優アレクサ・ダヴァロスからイギリス系の女優ロザムンド・パイクに変更になっている。
変わらないのは主神ゼウス(リーアム・ニーソン)ぐらいで、ほとんどのキャラクターが初顔で、続編というよりはまったく新しい話といっていい。
金属のフクロウ“ブーボー”だけは、3作すべてに登場する。
今回の目玉は、空飛ぶ双頭から火を吐くキメラ、カルタロスの牢獄の番人ミノタウロス、二刀流の鬼が二体合わさったマカイ、500メートルの巨神クロノスといったクリーチャーだが、VFXも含め目新しさは感じられない。
むしろ堕ちた神ヘパイストスが追放されたケール島に住む巨人のほうが動きが面白い。ペルセウスにやられて、一つ目を見開いたままノビた顔はなんとも異様だ。
3Dは、前作同様あまり効果がない。映像を見ても3Dである必要性をまったく感じない。
ストーリーは前作のほうが面白く、しかも30年以上前のオリジナル作品が原始的なコマ撮りによる映像作りながら見応えのある内容で、このシリーズ、作れば作るほどつまらないものになっている。