「絶望的な終わり方」シン・エヴァンゲリオン劇場版 あいさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望的な終わり方
自分は2000年ごろエヴァをレンタルで見てハマりました。
エヴァのブームも去った頃で、エヴァについて語る人も周りにいなかったですがそれでも好きでした。
20年好きだったエヴァの一番最後の映画ということで、シンエヴァはとても楽しみにしていました。
ですが、結果は残念極まりなく、
自分はこれを機にオタクをやめようと思いました。
冒頭はエヴァらしい軽快な戦闘シーンで始まります。
ですが、その後の第3村のシーン。
とにかく長い。長すぎる。
黒レイが主役かと思うほど農業のシーンやら子どもをお世話するシーンやら図書館に行くシーンやら風呂に入るシーンやらが続きます。
そして、落ち込んで寝込むシンジ。
とにかく長い。長すぎる。
ずっと寝込んでる。
この時のシンジは失語症になっていたとどこかで見ましたが、映画内で失語症への言及はなかったと思います(2回見ただけなので見落としたかもしれませんが)。
そして、アスカは裸でシンジの前に現れ、それに対し大人になったケンスケがアスカにタオルをかけます。
アスカは何故かケンスケをケンケン呼びです。
男女の関係があることを、さりげなく匂わす演出です。しかし、結局アスカとケンスケが恋人同士であったかは最後まではっきりしませんでした。
何故監督がこのような、ケンスケとアスカがカップルであることを匂わせるような脚本を作ったのか全く理解できません。
加持リョウジという少年がでてきます。
ミサトと加持の息子です。
14歳です。
あれから14年経った世界でミサトの息子が14歳と言うのなら破のラストの時点でミサトのお腹が大きくなっていなければおかしいと思うのですが14歳です。
加持リョウジ少年は良い子そうでした。
しかし、加持リョウジ(親のほう)の去り方は尺の都合なのかあまりにもあっけなく、加持リョウジ(親のほう)の扱いがあまりに雑で可哀想になりました。最後の方でもまた扱いが雑で可哀想になります。
途中の諸々について。
アスカは昔、シンジのことが好きだったと告白に行きます。でも私の方が先に大人になっちゃった、とも告げます。
個人的な意見ですが、『シンジを好きなアスカ』を好きだった私にとってはこのシーンは悲しくも、良いシーンだったと思います。
そのぶん、序盤のケンケンとアスカは、こんなのアスカじゃないと目を覆いたくなりました。
ちなみにアスカの告白の前に、『だーれだ?』とマリがシンジに後ろから目隠しし、『ヒント、乳のでかい、いい女』と言います。
これがまさか最後のクソみたいなエンディングの伏線になるとはこの時思いもしませんでした。
シンジによる補完計画が始まります。
シンジが登場人物ひとりひとりに語りかけます。あなたは本当はこう思ってたんだよね。僕はこう思っていたよと。
この時、唐突に渚司令という存在が加持リョウジ(親のほう)と一緒に出てきます。
渚司令は碇シンジを幸せにすることで自分を幸せにしたかったと言い始めます。加持に対して『カヲルって呼んでよ、リョウちゃん』などと言います。この人は一体誰なんだろうと思いました。
渚カヲルは、使徒であり、
碇シンジのことを好きな少年であったはず。
しかしここに出てきたのは、謎の渚司令という人物でした。
クライマックス。
旧劇に続きまたしても巨大綾波。CG丸出しの巨大綾波。旧劇の巨大綾波の方が美人だったと思います。
首のないマネキンの行進。そして、天から降り注ぐ人々。猫を抱きしめて微笑んでる女性やらなんやら、色々な人間が空から降ってきます。誰なんだよ。
急に駅のホーム。これは庵野監督の地元の駅のホームだそうです。庵野がさっさとエヴァから解放されて実家に帰りてーよアピールなのでしょうか。理由はわかりません。
スーツを着た、社会人らしいシンジっぽい男が、後ろから『だーれだ?』と目隠しされます。
『胸の大きい、良い女』と答えます。
誰なんだよ、お前は。
碇シンジはそんな奴じゃなかっただろう。
そもそも、声、神木隆之介じゃねーか。
26年シンジを演じてきた緒方恵美さんに対して申し訳ないと思わないのか。監督ってきっと、人の心が無いんだね。
そしてもはや面影すらない、薬でもキメてんの?ってくらい目を見開いた大人シンジらしき神木隆之介が、マリの手を取って行こう!と階段を駆け上がります。
そして監督の地元の駅(何故か実写映像)から飛び出すマリとシンジ。
流れ出すエンディングテーマ。
いったいなんだったんだろう。この映画は。
黒レイは農作業を散々させられた挙句、シンジに名前もつけてもらえず、ネルフから離れたら生きられないとかなんとかいう理由で消滅させられ、
ケンスケとアスカはカップルにさせられて、
シンジはマリルートエンドみたいになってて、
いったい何を伝えたかったんでしょうか。
これが、90年代に社会現象を巻き起こしたアニメの最後なのか。
エヴァをずっと好きだった私の気持ちは何だったのか。
極め付けにとどめを刺してきたのは、入場者特典の公式の薄い本でした。
作画監督のとある人物がカヲレイ夫婦と子供のシンジのイラストを描いてネットで大炎上したあげく、
ラジオに出演した緒方恵美さんにこれはあくまで同人誌です、とフォローさせていました。
いや、同人誌って、そんなにポピュラーなものですか?
同人誌ってオタク界隈のみで楽しむ物ですよね?
エヴァって、大人から子供まで楽しめるエンタメみたいなツラしてのさばってるのに、同人誌を入場者特典にしちゃうんですか?
シンエヴァはどうしても100億行きたいのか、舞台挨拶だの入場者特典だの必死にやってますね。最後の悪あがきに。
どうして100億行かないのか、関係者さん、誰もわからないんですか?
この映画が、エヴァオタクにとって期待外れだったから。ただそれだけです。
私は現実に帰ります。もうアニメは一切見ないです。
監督の気分一つで、いくらでもキャラクターの性格が変わるなんて、もうこんな気分は味わいたく無い。
ありがとう。現実に帰してくれて。
一刻も早く、エヴァというクソアニメの存在が消えるくらいの大ヒットアニメが生まれてくれますように。