「やはり世界の中心で愛を叫んだケモノ」シン・エヴァンゲリオン劇場版 南 貴之さんの映画レビュー(感想・評価)
やはり世界の中心で愛を叫んだケモノ
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長く感じるほど中身の濃い、濃すぎる映画でした。
フィナーレに相応しく、大人になったという言葉が、
角が取れて丸くなった姿という意味で言うならば、
庵野秀明総監督が「大人になった」とも言うべきことなのかと。
なぜなら、ストレートに伝わるメッセージがあったから
ただ言葉にせずとも、絵で伝える
表現者たる自覚は忘れずに、ただわかりやすく
暖かく伝えていた。
リピートという意味に見出されること、
本当に生涯の作品なんだろうなと。
Redo. という表現も過去ありましたが、
全ては作品を咀嚼する側へのメッセージか。
やはり作品を複雑にする用語は照れ隠しにしか見えず、
本心はやはり愛を叫んでいるとしか僕には受け取れない。
ただ、今回は大きく違ったのは、愛の見方が変わっているということ。
どこかにcodaがあり、一曲が終わった感じ。
その曲のタイトルは「エヴァンゲリオン」
A面B面があるカセットが象徴的に使われるのもそれが故のことか。
自分はラフマニノフのピアノ協奏曲が大好きで、何度もリピートしますが、没入していると、そこに広がるのは「想像の」世界。どこかしら似ている気もする。
長調では花畑と木漏れ日を想像し、短調では凍てついた大地を想像する。
そこに入り込み、想像を重ねると行き着く世界は二次元と頭の知識(言葉)か。
今回の映画は目も頭も疲れますが、どこか愛という温かみを感じ、エヴァにしてはなかった何かがある気がします。
これまで見てきた人は是非に。
さようなら全てのエヴァンゲリオン。
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