「エヴァという体験をありがとう」シン・エヴァンゲリオン劇場版 もりのもりさんの映画レビュー(感想・評価)
エヴァという体験をありがとう
当方、夕方のTV放送から見ていたリアルタイム世代です。こみあげる涙はそのままに観賞後は四半世紀に渡る強烈なエヴァ体験に、関係者やファンの方に感謝したい気持ちでいっぱいになりました。
エヴァというフィルターを通さなければ、物語は至極シンプルで、コミニティでの作法や、人間関係が拗れてしまってコミニティから逸脱してしまった者の復帰や関係修復のひとつの方法を特に前半〜中盤にかけて丁寧に描いているなと感じました。
後半は特に関係が拗れやすい親子間の和解の一例を描いたように受け取りました。和解までに至る道のりはめちゃくちゃですが、解決策はとてもシンプルで清々しさすら感じました。
エヴァという視点から見ればよくもまあこんなにも沢山のしこりを2時間半で鮮やかに回収かつスカッと終わらせたなと一種の爽快感を伴ってエンドロールを迎えられました。
そして涙の後に大爆笑と、過剰すぎるマニアックなサービスの連続に鑑賞中は庵野、やりやがった!の連続でした笑
四半世紀に渡るエヴァというコンテンツは一旦終わりを迎えますが、同時にエヴァという土壌であれば何をしても良いというアップデートを施したようにも感じられました。それは別監督でも実写でも良いし、最先端技術の投入、実験の場でも問題ない強度まで高められた気がします。
ただ、ひとつの映画としては後追いでは追いつけないような体験、場面も散見されるのでその点の評価がどうなるのか気になるところです。
実際、周りの古参は絶賛していますが、新劇場版からのファンはさっぱりと評価が分かれています。
ともあれ長きに渡ってエヴァという体験ができたことは個人的には大変貴重な経験であり、感謝を述べたいと思います。
エヴァ、今までありがとう!