劇場公開日 2021年3月8日

「さようなら 碇シンジくん」シン・エヴァンゲリオン劇場版 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0さようなら 碇シンジくん

2021年3月9日
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Raspberry
そーさんのコメント
2021年3月10日

ミサトさんが髪をほどきながら
「やっぱり最後に頼りになるのは反動推進型エンジンね」(だったかな?)のところはめちゃ胸アツですよね!
恥ずかしながら38歳、劇中に3度、涙しました。

最初は開始10分のパリ奪還の戦闘シーン。
その時はなぜ涙が出そうになったのかわかりませんでした。今冷静に考えてみると「あぁ、これで本当に最後なんだ」と感じたんだと思います。
そのぐらい作り手の気迫を感じました。
一方でこの時はまだ鑑賞中に作り手の意図を考える余裕がありました。

二つ目は中盤から終盤に差し掛かる、ヴンダー艦上でのシンジと艦メンバーとの掛け合い後、ミサトに肩を押されるシーン。
登場人物それぞれ、色んなものとの決別が決定的になっていき、シンジの精神的成長が描かれる様子を見ながら、ここでエヴァンゲリオンという作品が自分の手から離れて行く感覚を覚えました。
自分の青春時代と共に物語が紡がれてきたエヴァでしか味わえない不思議な感覚だったと思います。
この時はもうすでに私の意識は完全に劇中に感情移入していました。

三つ目はシンジがユイに救われるシーン。
父親、母親それぞれの不器用さや愛の深さが描かれ、子を持つ身としても親を亡くした身としてもとても大きな多幸感を感じました。
その前の各登場人物の開放シーンも含め、劇中ずっと目元までで堪えていた涙が頬に流れてしまいました。

恐らく自分の中でここまで印象に残る映像作品にはなかなか出会えないだろうと思います。
なにせ26年の歳月をかけて私の心の中に印象を刻みつけた作品ですから。
ここまで時間をかけた(かかった)からこそ、視聴者自身の成長も作品の味の一部に加わっていると感じます。
またその26年を真正面から受け止めて、さらに期待を越える作品を生み出してくれた制作陣に深く感謝したいと思える作品でした。

鑑賞から1日過ぎましたが良い作品に出会えた興奮がまだ残っています。

そー