「ただ、敬意と感謝を捧げます。」シン・エヴァンゲリオン劇場版 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
ただ、敬意と感謝を捧げます。
エヴァ初心者です。
それなのに、親子の相剋に象徴されるものや人間世界の解決できない普遍的で困難な問題への対処方法やそれを巡る決定的な選択という壮大なテーマがなぜかストンと腑に落ちたような感覚になります。
と言っても、何も知らない癖に知ったかぶって偉そうに語れるほど単純なものなど無いし、局所的なことに限定したとしても軽々に言葉にすることも私には出来ません。
ただ、なぜだか全身で分かったような気にさせられるほど、胸の奥に突き刺さってくる〝とても大事な何か〟が描かれているということだけは確実に伝わってきました。
たぶん、時間が経ち、実社会での経験や見聞を積んでいく中でやっと自分の血肉になっていくような何かなのだと思います。
これだけのものを創り上げるために一体どれだけのアイデアを絞り出し、取捨選択したのか。
それぞれの持ち場で一体どれだけのハードワークがあったのか。
創り続ける間の時間、世に送り出すまでの時間、創作のために削ったであろう家族と過ごす時間、一体どれだけの我慢と根気と理解と感謝があったのだろう。
そういうことを想像するだけで、全身が震えるほど感動しました。
作品の好き嫌いや萌えポイントは人それぞれだと思いますが、こんな体験をさせてくれたということだけで、文句無く敬意と感謝を込めて満点を捧げさせていただきます。
以上。
(追記)
映画の内容とは関係ないのですが、スズハラトウジという名前。
私の大好きな村上龍さんの小説『愛と幻想のファシズム』の主人公と同じなのです。
小説では、鈴原冬ニというカリスマ性のあるハンターと相棒的な存在ゼロによる日本統治までの過程などが描かれていきます。
監督のアイデアに少しでも影響があったのなら、それもまた嬉しいな、とひとりで喜んでます。
そういえば、ゼロの名前も相田剣介(アイダケンスケ)。
エヴァの登場人物の中にいたような…
どうやら一定のリスペクトを感じます。
今度、小説も読み直してみよう❗️
(追追記)
この作品、なんだか派生的に色んなことを考えさせられます。
厳しい父とその息子の葛藤と成長の物語。
十戒における厳しい神とモーゼの関係もひとつの象徴だと思うし、星一徹と飛雄馬なんかもそうでした。そして、いつでも周囲を巻き込んだ壮大なドラマになります。
もしかしたら、ウジウジした感情やトラウマもドラマにして浄化してしまえ❗️という男の悪あがきなのかもしれないですね🤗だとしたら、この悪あがきの創造パワーもなかなか侮れない。
最近は、どちらかというと優しいお父さんのほうが多いので、碇親子の関係性からはなんだかレトロな温もりを覚えました。
それに比べると、母と娘という関係は、周囲を巻き込んだ大騒ぎ⁈には至らず、割りと身近な世界の人間ドラマやコメディで描かれることが多いのではないでしょうか。
母と娘が世界を巻き込んで大喧嘩❗️なんて映画は意外と新分野になるかもしれません。
コメントありがとうございます。私の駄文はそんな大したもんじゃ有りませんて。
ちなみにこの映画、語ったら負けだと自分で勝手に思っているので語りません。
2回観てますが(笑)