「全てを受け止めてくれた、庵野監督への感謝。」シン・エヴァンゲリオン劇場版 ケンケンさんの映画レビュー(感想・評価)
全てを受け止めてくれた、庵野監督への感謝。
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超!ネタバレです!
アニメからのファンです。
関連書籍や考察動画は、ほぼ見ています。
旧劇の救いのない世界が好きで、
序破Qの演出先行には違和感がある、
製作者視点では、過去を引きずる面倒な視聴者だと思います。
それでも、庵野監督は、そんな視聴者すら見捨てなかった。
天才演出家(「俺の脳内を表現する」)が、天才監督(「みんなの理想を表現する」)に進化して生まれた作品だと思います。
驚きの展開や斬新な構成を徹底しながら、
アニメ旧劇コミックの回収をして、
新劇四部作としてしっかり成立させる。
誰もが気になっていたゲンドウの脳内を明らかにし、
彼なりのケジメも付けさせる。
絵コンテ風の演出や実写ミックスで、
うまく観客の不安を煽って変化をつける。
脳みそ回収でゾッとさせ、
一方で綾波のネコでキュンキュンさせる。
エヴァ全機も出現させきって、何も余白を残さない。
最終シーンのチープさやマリエンドという選択も、
これはこれで後を引かなくていいのかなと思いました。
「ここで終わらせてやる」という強烈な意思がないと、ここまで全てを詰め込む作品にならなかったと思います。同時に、自らのライフワークに自ら終止符を打つ残虐さも感じました。
庵野監督自身がゲンドウと重なって見えました。
自分の中で、しっかり終わらせることができそうです。
本当にありがとうございます。
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