「救いとはなにか。」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 rockoさんの映画レビュー(感想・評価)
救いとはなにか。
最後のどんでん返しで鳥肌が立ちました。宗教とは何か?長い間考えてきましたが、この映画はそういった問いに対する一つの答えを出しているように思います。わけのわからない新興宗教や伝統だけ、というイメージからあまり宗教について思いをはせることのあまりない世の中だと思いますが、人間、観るに耐えない、自分ひとりでは超えられない大きな苦しみを抱えたとき、自分よりも大きな何かにすがるのではないでしょうか?それは苦しみから逃げるための安易な現実逃避ではなく、人としての限界、「身の程」を知ったときに初めて生まれる謙虚なすがりです。
トラ、(つまりキリスト教で悪とされるような人間の野生的な部分の象徴?)を主人公(理性の象徴?)が押さえつけるのではなく、共存に至るあたり、安易な宗教肯定でも否定でもなく、その本質に迫ろうとしているのがよくわかります。人間というのは宗教的な何かとは切り離せないものですし、本当の救いはそこからしか得られないのではないか、というのが自分なりの答えです。もちろん、どこかの宗教に所属するしないは別として。
真実とは何なんでしょうね。
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