劇場公開日 2013年1月25日

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「野生にはなれない人間」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 ソロモンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0野生にはなれない人間

2013年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

萌える

見終わった後、何とも言えない難しさが残った気がします。まるで子供にどうして動物を殺し食べるのかを教えるようなそんな感じの映画のように思えました。

序盤は正直退屈感があり、宗教についてや主人公であるパイの名前の由来や少年時代の話などちょっと長く感じてしまいました。しかし漂流してからはもうスクリーンから目が離せられないくらいよかったです。

虎(パーカー)と主に漂流しちゃうという話ですが普通に考えるとまったく現実味のない話、しかしそこはアンリー監督の腕前でしょうかあたかも実話のような話みたいに思えてしまいます。
パーカーのCGも動きが少々CGっぽいということ以外は目を疑うほどよくできたCGでした。その上初めてとは思えない、スラージシャラマンの演技であたかもそこにいるかのよう。ここら辺の配慮のすごさはスタッフの器用さを感じます。

知恵を絞って苦難を切り開く展開も見応えあり。ちょっと笑えるシーンもありパイとパーカーとのやり取りはちょっと和みます。しかしそれらのこともちょっとした問題提起になっていきますが。

最後はいろいろ考えさせられるものだったと思います。パイが一時理性を失い神にすがってしまうシーンやパーカーの最後のしぐさなどを見ると野生動物のすごさを見せつけられた気がします。人間が当然のことのように思えること、それをまるで生きるために捨ててしまうパーカー。何とも言えない悲しさがこみ上げてしまいますが、それが人間と野生動物の違いなのかもしれません。

あと押しつけがましくないラストもよかったです。まるである一人の男性の体験談のようなストーリーがいろんな思考を刺激させられるのに功を奏していたと思います。

ショッキングなシーンもあり子供には向かない映画かもしれません、しかしたまにはこういった映画を子供に見せるのもいいかもとも思えなくもないですが。。
自分としてはいい映画をみさせてもらったと思える映画でした。

ソロモン