「頓知が効いているアニメ」サカサマのパテマ yagurasawaさんの映画レビュー(感想・評価)
頓知が効いているアニメ
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これから見に行く人は絶対にレビューを見ないで映画館に行った方がいいです。
取り敢えず言えるのは「グラビティーマン」はトンでもなく恐ろしい奴だったと改めて思ったという事。
さて、この作品の面白いところは脳トレクイズのような物語ですね。
サカサマ世界の描写はもちろん眼を引くところですが、それ以上に構成に感心しました。
異世界の二人が出会って争って別れて…なんてのは使い古しもいい所の物語にちょっとしたトンチのスパイスを加えるとまた違った楽しみ方ができる、という事を教えてくれる。
物語をボーっと見ているとなんで主人公は処刑されないのか、とか、何であんな強面の警察がちゃちな武器しか使ってないのか、とか色々違和感が次々と浮かんでくるのだが、最終的には全ての違和感がストンと収まるようになっているのだ。
終わってみれば第一ヒント、この世界は「アイガ」という名前、でモロバレである。
答えに物語の最後で気づいた人は幸せだろう。
この作品のコンセプトを一番満喫した人だから。
残念ながら第一ヒントで気づいてしまった方でも場面の意味を紐解いていく面白さが味わえるだろう。
一番不幸なのは最後まで説明不足でよく分からなかったという人。
最後まで脳トレクイズは解けなかった、問題の意味に気づけなかったという事なので。
作品の完成度自体は85%ぐらいという感じで、今少し予算と時間があればより感動的だったのではないかと思うところはあるが、この作品の面白みにおいては蛇足のようなものなので差して減点になる気がしない。
ブルーレイで加筆されたら嬉しいかなって程度だ。
何にせよ、映像、物語ともに「サカサマ」を描いたこの作品は何とも知的で面白かった。
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