「クンフーの代わりに集合写真撮影が炸裂する冗長で退屈な映画」グランド・マスター よねさんの映画レビュー(感想・評価)
クンフーの代わりに集合写真撮影が炸裂する冗長で退屈な映画
イップ・マンの映画なら『葉問』に匹敵するアクションを期待するわけですが、血湧き肉躍る激闘が一切ない、というか敵が全部ザコのチンピラばかり。イップ・マンと言えばブルース・リーの師匠ですから当然ブルース・リーネタがあるわけですが小さな子供を愛おしそうに眺めるシーンがチラっとあるだけ。エンディング前にリー師父の言葉もバーンと出ますが、その辺を知らない人には全部チンプンカンプン。クンフースターではないトニー・レオンに長尺の殺陣ができるはずもなくカットを細かく刻むしかないのは解りますが、スローモーションを多用したセンスとリズムの悪い編集でせっかくのユエン・ウーピン師父の殺陣指導が台無し。佛山を占領した日本軍と戦うこともなく香港に移住してチンピラを弟子に取ってみんなで記念写真・・・というかやたらと集合写真撮るんですよね、SNS好きなんですかね。やたらとモノローグと字幕で説明が入るのも興ざめ。時制の入れ替え、舞台セットの色彩センス、カメラアングル、何もかもがダサくて冗長で退屈。こんなのはクンフー映画ではなくて北川悦吏子監督・脚本のラブロマンスもどき、自身の見る目のなさを猛省しました。
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