SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者のレビュー・感想・評価
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ラッパーの旅は続く
これで終わりじゃないだろ!
画面が暗転しエンドロールが流れた瞬間、切実にそう感じた。このシリーズ、ここで終われない。終わってもらっては困る。3本目にして、すっかりSRクルーに取り込まれてしまったようだ。
パッとしない主人公(たち)が、周りからバカにされながらも、本人たちなりに楽しく一生懸命に、時には困難にぶち当たりながら日々を過ごす。物語として、とてもなじみやすい設定だ。私たちは、彼らに自分や身近な人を重ね、「バカだなあ」と笑ったり、「そうだ、いけ!」と喝采したり、「明日から自分もがんばろう」と励みを受ける。
…しかし。物語と違い、人生は幕切れがなく、毎日毎日続いていく。山場も結末も見えないままに。そんな日々の傍らに、続いていく物語がある、というのは得難いことだと思う。
今回のSRは、音楽で一旗揚げると上京したマイティーパート=続けることの息苦しさと、サイタマに残ったイックとトムパート=続けることの楽しさがくっきりと対を成す。映画全体が、ラップバトルのように、相対するリズムを刻み、メッセージを放つ。長回しされる雨の中の逃亡シーンは、雨の冷たさや足の重たさが体感され、ぞくぞくした。数ある映画の中でも、特筆すべき逃亡シーンと言える。何と痛々しく、切実な逃亡だろう。一方、相変わらずのサイタマの二人「SHO-GUNG」は、栃木でラッパー仲間「征夷大将軍」と出会い、将軍つながりで意気投合し、気勢を上げる。彼らのラップは、回を重ねるごとに明らかにレベルアップしている。「1」の会議室ではやぶれかぶれに牙を剥いたが、今回は余裕さえ感じられ、痛々しい以上に爽快だった。
このシリーズのポイントは、サイタマ、「2」の群馬、今回の栃木…という場の設定にもあると思う。カッコ悪く生き生きとした青春映画に、北関東の空気はよく似合う。近くて遠い(日帰りできても終電時刻は油断ならない距離)都会への憧れとおそれ。地方出身であることの気後れと、根っこがあることへの秘かなプライド。その入り雑じり方が絶妙だ。乾いた空気とぽっかりした空。その下に広がる畑と立ち並ぶ平屋の量販店。何にもないのか、何でもありなのか。どっちつかずで中途半端。それでいて・だからこそ、先の読めない面白さが隠れている。だいたい、マイティーを強いたげる東京のラップグループ「極悪鳥」も、実は中野区鷺ノ宮出身。都内とはいえ都会とは言い難い地域出であるところが、彼らの矮小さを引き立てていて可笑しい。(都会ではない都内都市は確かに終電が遅い。けれども、それは私鉄の企業努力に過ぎない。…私鉄が通っていないのが田舎の証拠、と負け惜しみが聞こえそうだが。)
すべてが絡まりうねりを生む祭の夜、そして祭のあとに繰り広げられる、観客のいないラップバトル。…つくづく、映画と音楽の底力を、肌で痛いほどに感じられる快作だ。入江監督の貯金を切り崩し、実家に合宿して完成させたインディペンデントの真骨頂は、「やりたいことをやる」という潔さと力強さに溢れている。泥臭くカッコ悪いSR魂は、大量に垂れ流されるハデでキレイな「話題の超大作」群を凌駕し、寄せ付けない。
エンドロールのバックに映し出される彼らのソウルフード・ブロ(ッコリー)の瑞々しさに癒されつつも…望む、続篇!
涙なくして見れない
数々のラップシーンが圧巻!(サントラもいい)
8マイルに次ぐラップ映画 でいいんじゃないか
あたが端役で出てたんで 裏話たくさん知ってる、エキストラにも行った
想像以上に過酷な撮影で監督他みんなすごく苦労してたので
すばらしい作品の形になったのが感動…
悲劇のラッパー鎮魂歌
悲しい。(´д`)ただただ悲しい。(´д`)マイティの叶えたかった夢はこんなものではなかったはず…。何故だ。゚(゚´Д`゚)゚。 ラップをダシにいつからお金や見栄を得ることを目的にしだしたのか…。純粋さは?楽しさは?いつから忘れてしまったのか?ラップの本質はそうじゃないんじゃないか??現実の不満をラップに乗せることから始めたのではないのか??
←と、終始マイティ何やってんだよ!!バカヤローー!!!と思う映画でした(笑)
3作目もおもしろかった。入江悠さんはすごい。
サイタマのラッパーなのに、現在埼玉県で、上映していない。(神奈川県では上映しているのに・・・?)こういうものは地元で上映して盛り上げてから、他の地域へいくのが普通。「サイタマでそういうのないんだけど・・・」ということなのだろうけど、この地元愛のなさが埼玉県らしいです。
しかたがないので、新宿で見ました。
今回は1作目でイックとトムを裏切って東京に行ったマイティの後日談というか、スピンオフ的なストーリーが中心でした。
2作目の「傷だらけのライム」は群馬の女子ラッパーの話なので、今回のストーリーにはまったく関係ありません。
マイティの部分はけっこうシリアスな感じで、笑いもなく進んでいくのですが、後半いつものとおりイックとトムが登場。栃木県栃木市(ちなみに栃木県の県庁は宇都宮市にある)で行われる怪しげなライブのオーディションに参加。そこに日光市の「セイイタイショーグン」というラップグループがいて、イックたち「ショーグン」と対決、そして・・・。
というところで、ちゃんといつものとおりのコメディー部分も入っていました。
シリーズものなので、1作目が一番よかったということになるのだろうけど、3作目も今までになくシリアスで、本格派の日本映画のようでよかった。
入江悠さんはやっぱりセンスいいと思う。
テレビドラマの「クローバー」も見ているけど、すごくおもしろい。
合わないような気がするけど、一度メジャー作品も見てみたいです。
2を見ていなくても大丈夫
上映の日程と合わなかったり、レンタルしても見ないまま返却してしまっていた2を見ていなかったのですが、見てなくても大丈夫という意見を信用して見に行ったところ、多分全く問題なかったです。1の続きで、そのままですんなり理解できました。
1ではあまりに現実の生々しさがむき出しで受け入れるのがつらかったですが、3はいい感じの飛び具合で、ちょっと他人事として楽しむことができました。夢破れし者への鎮魂歌とも言える物語のエンターテイメント度合いがスケールアップしていました。特に夏フェスの場面が圧巻で、いろいろな勢力がその場でリンクしてしまうダイナミズムが素晴らしかった。流れがとても自然で粋だった。
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