「人生は所詮単なるから騒ぎ」恋のロンドン狂騒曲 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は所詮単なるから騒ぎ
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ストーリー上舞台がロンドンである必然性はないので、これはイギリス出身の俳優を起用したかったが故の舞台設定ではなかったか?
相も変わらず、いい年をした(いや、もう若くはない)大人が惚れたはれた、くっついたり別れたりのから騒ぎ。
いくら人生経験を重ねたところで、こと色恋に関しては、人間はベテランになることも、賢くなることも出来ないらしい。
死の恐怖に怯えるアルフィは長年連れ添った妻を捨て、夫に捨てられ傷心のヘレナはインチキ占い師の予言を盲信し、娘のサリーは甲斐性のない売れない作家ロイに愛想を尽かして勤め先のギャラリーのオーナーとの不倫を妄想し、ロイは向かいに住む若く美しい赤い服の女ディアに思いを寄せるといった具合。
多くのウディ・アレン作品では、最後は皆おさまるところにおさまりハッピー・エンドとなるのがお決まりのパターンだが、今作はちょっと違う。
ロイが作品を盗んだヘンリーは昏睡中で彼の悪事が露見するかも、サリーのギャラリーがどうなるかも、シャーメインのお腹の子は本当にアルフィの子どもなのかも分からず終い。唯一、予言や生まれ変わりを信じるヘレナとジェイソンだけが一応のハッピー・エンドを迎える。
これは原題“YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER”の通り、信じる者は救われるということなんだろうか?
ウディ・アレン作品の中で、特に傑作ということもないが、登場人物が喋りたおす安定のウディ・アレン印です。
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