「万人に共通する心理が本当に描かれているとは思えず、超一級の駄作」SHAME シェイム Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
万人に共通する心理が本当に描かれているとは思えず、超一級の駄作
映画を多数観続けていると、時々こう言う映画に出会う事があるものだ。
私の感性で判断する限り、この作品は、一体誰に、何の目的を持って、何を伝えようと試みているかが不明瞭な作品で、作者が、どんな観客層に対して、この作品の存在価値が有ると判断して、その制作が行われたのか、その意図するところが不明の作品としか思えないのだが、他の映画ファンの方々はどう考えられるだろうか?
特にラストである!この主人公の兄と妹の関係性や、子供の頃に育った2人の人間性などの登場人物の背景は全く描かれる事は無く、何故、或る日当然に、妹は兄と暮す事にして、パブで歌手として唄う人生を彼女が選び、その兄との生活に何を求めていたのかが理解出来ない。
都会の一人暮らしのビジネスマンは、仕事のキャリアも悪く無いし、独身男が、独身貴族よろしく、好き勝手放題の生き方をしていて、経済的には自立していても、其の心の内面は孤独な闇、底無しの地獄のように満足出来る事の無い孤独と、性の欲望の渦だけが、彼の心の内を占めていると言う恐怖映画なのだろうか?
では、都会で一人暮らす中年男性は、皆こんな生活を送っているのか?と言えば、その答えはNOの筈だ。
この特殊な、男の人生を見せる事で、何を作者は語ろうとしているのか?
これが、普通に、ポルノ映画として制作され、ピンク映画だと言うのなら未だ我慢が出来るのだ、例え内容も、ストーリー性もチグハグでも、それはいたし方ないのだ。
しかし、この作品は、その様な類いの作品として制作はされていない筈だ。
こんな後味の悪く、観終わった後に気持ち悪い孤独感に嫌気がする映画を観るのも久々だ!
この映画の恥じらいとは、一体誰の事を指しているのだろう?
この映画を観てしまった、選択眼の無い私の責任を恥じるべきか?
それとも、映画の役者の恥じらいか?
監督を始めとする映画制作者の恥じらいか?
人生で、一番大切なもの、それは、時間だと私は個人的には考えている。
人の寿命の長短は、それぞれの人でまちまちだが、決まっているものだからだ。
その大切な人生そのものである、時間を何に費やすかで、その人の人生も決定すると私は思っている。人生そのものの一部である時間を映画を観る時間に充てるのだ。
もっと実り有る映画を観たいものだ!