おおかみこどもの雨と雪のレビュー・感想・評価
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素晴らしい映像、音楽、そして演出
『おおかみこどもの雨と雪』観てきた。
演出がいい。すごく。特に物語終盤の雪にとって分岐点になるシーンの演出は感動した。映像と音楽をすごく巧く使ってるように感じた。
花の母親としての物語だけでなく、雪と雨の自身の在り方の葛藤もしっかり描いていて、どちらの立場からも入って行ける。語りが雪なのはそういう意味もあるのかなぁと思う。母の話でもあり、自分の話でもあるっていう。
俺の周りで結構評価が分かれてたというか、やっぱりサマーウォーズと比べると…っていう意見が多かったけど、これはサマーウォーズの延長線上にある映画じゃないと思うし描いてるものも全然違うのでこれはこれとして切り離して観たらまた変わるんじゃないかな。
28年間で第一位!
正直サマーウォーズが期待外れだったからこちらも期待してなかったけど…
観に行ってホント良かった!家族と行ったから思いっきり泣けなかったけど一人で観てたらぼろ泣きだと思う。家族全員一致で『良かった!泣いた!』
嬉しい 悲しい 愛しい 等の表現がダイレクトで観てて気持ちいい。
感情移入しやすすぎる。特に雪の笑った顔がとてもキュート。
親の気持ち、子供の気持ちが細かくリアルに伝わる描写に感動。
これは又一人で泣きにいかなきゃなー
おおかみこどもの雨と雪
素直に感動というかじんわり心に染みた作品でした。やっぱり日本ていいなと思いました。田舎の温かさ、人々のやさしさ、自然への尊厳等が良く描写されていたと思います。雨が自然に還っていく様は、自然の神々への敬意の表れのような気がします。あと、花の女性としてのたくましさ、強さは、今のオリンピックの女性の活躍に通ずるものあると思います。また、幼少期の雪と雨のかわいらしさは思わず笑顔が出てしまいます。すばらしい作品だと思いましたので登録し、レビューを書きました。是非、続編がみたいなという思いです。
過去は思い返せば美しい
この監督の映画は初めて観ましたが、素直に描写力が凄いなと感心しました。
雨と雪のマイノリティ的な心情は自分が幼少期の頃に感じていた感覚と少なからず似ていたのもあってか「思い返せばそういうこともあったなぁ…」という情景の連続で、中盤辺りから完全に入り込んでしまい涙腺崩壊。
映画が終わった後にレビューを流し読みしていると「意外性がない」、「花は苦しいはずなのにスムーズに話が流れすぎる」、「単調…」といったものをチラホラ見受けるのですが、
雪(か、雨)の独白で物語が始まるのをことから、良い意味で美化された経験を思い返しながら話しているが故の感覚だと思えば納得のいくストーリーだと思います。
ただシーンが変わる事に主軸が母、娘、息子、母…とさり気なく移り変わっていたり、時間軸が1日なのか1ヶ月なのか1年単位なのか所々分からなくなる部分で混乱してしまったのは残念かなと。(しかし、そこが曖昧だからこそ泣けたのかも…。)
総評では観て良かったと思える作品でした。お盆の時期に観てこそ真の力発揮する映画だと思います。実家に帰りたいです(笑)
一番大切なのはいつも笑顔でいること!
人とのつながりや思いやりの大切さを教えてくれる、
とても心温まる作品でした。
ただ小さい子の付き添いで行った大人が感動して、
チビちゃんにはさっぱり・・・みたいな事が多発しそうな映画ですので、
そのへんはお気をつけてw
でも誰が観ても100%損は無い映画ですので、
まだの方はぜひ観に行かれる事をお勧めします!!
おおかみこどもの子育て映画
「さまーうぉーず」が好きだったので、この映画は予告を観ただけで、ずっと気になっていた映画だった。何より、絵が可愛らしくて好き。
私は絵が気に入らなければ観ないほうなので。
今回の映画は、正直ストーリーは思っていたものとは違ったけれど、
ありえない設定なのに、自然にすぅっと心に入ってきて、とても見やすかった。
私は割合と気に入った。
親として共感!
劇場で観るまでは、この映画に対して全然期待はしていませんでした。
絵的にもそんなひきつけられるわけでもなく、むしろ苦手な感じ。
内容もタイトルからして想像がつく感じがありました。
しかしいざ観てみると、意外にも良かったです。
中でも田舎の細かい描写、こどもたち2人のかわいらしいしぐさにひきつけられました。
それと、大沢たかおさんの声が素敵でした。
おおかみおとこ、かっこいいです。
親として共感してしまい、不覚にも涙ぐむシーンもありました。
ところどころのお母さん方が泣いてらっしゃいました。
子を持つ親として共感できる面が多々あった作品でした。
4才の子供もこの映画を喜んで観ていました。
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親に連絡したくなりました
笑いあり、涙ありの素敵な作品だったと私は思いました。
私はまだ子育てをしたことがありません、ゆえに、親が子を想う気持ちの強さ・深さを親の立場で感じたことはありません。
ですが、幅広い世代の方に、色々な視点で楽しんでもらえるのではないかな、と思います。
久々に親を想う そんな気分になり連絡しました。
映像美を楽しむ、
テーマを追究する、
可愛い雨と雪を見て和む、
楽しめるところは色々あると思います。
どこかで誰かが「心臓にいい」CGというような表現をされていましたが、同感でした。
おおかみこどもたちは良かった
ハナとおおかみ男のエピソードが私にはグッと来なかった・・・
奨学金を頼りにしている学生のハナと、狼男だという「彼」、
ただでさえ2人とも安定した生活を送れる立場ではないのに、
避妊もせず2人も子ども作る時点で何だか引いてしまった。
ハナも家族をはやくに失い、彼も決して暖かい環境で育たなかっただろうから
家族をつくりたい気持ちが強かったんだなとも思ったけれど、
病院や他人に頼れない状態で苦しい出産をしたのに、翌年懲りずにまた妊娠という。
ちょっと「え~っ」と思ってしまった。
こんなことに引っかかってしまう私の心が狭いのだろうが・・・
でも、雨と雪のそれぞれの葛藤や、ハナの苦労とたくましさは凄く良かったと思う
学校生活も、「こんなやりとり、あるある」と、自分の体験も思い出すような感じ
ソウヘイくん、とっても優しい男子だった
雪とソウヘイくんの一連のやりとりを始めカーテン越しの雪のカミングアウトまで、
子どもならではのドキドキやときめきが蘇ってくるような不思議な気持ちになりました。
宣伝などをみて、ファミリー向けのように思っていたけれど、これは確実に大人向けの映画だったなあ
開始2分で涙がとまらなくなり、、、
上映開始2分くらいから涙が止まらず、最後まで泣きっ放しでした。
主人公のお母さんが配偶者とオーバーラップしてしまったのが、涙の原因かも。
ゲーム「俺屍」や前作「サマーウォーズ」に繋がる部分を感じました。
お客の層は家族連れが大部分で、50前の男は一人もいず、ほとんどが家族連れでした。
子供向けと思って観た方が多買ったのかもしれませんが、
現代の、家族をもつ親御さんが観るといい映画かもしれません。
細田監督、ありがとうございました。
理不尽な不幸に対しいつも笑顔の花が気持ち悪い
2人のおおかみこども(狼人間)の姉弟とそれを育てる母の話です。
アニメの画風はおとぎ話でもなく現実でもない不思議な世界観によく合っていたと思います。
ところでこの作品を見ていて、この作品の主人公である母親・花に嫌悪感を覚えました、いつも笑顔で気持ち悪いと思ったのです。
作中で人間ではない子供を育てるために花は理不尽な不幸に襲われます。
国立大の学生という、恐らく苦労して手に入れただろう立場を捨て、住居を移り、陰口を叩かれ、都会人はと馬鹿にされ、子供は問題ばかり起こし、慣れない田舎の生活に苦労し、子供の将来のことについても気が重かったでしょう。
そういった状況で常に笑いつづけている花は非人間的な自己犠牲の塊であるように感じました。
男の身ながら母性というものは痛々しい程の自己犠牲を笑顔でやってのけるものなのか、とも思ったのですがやはり違和感があります。
自分は子供を育てた事はないので自分の母親のことを考え、母は自分を育てる時に、これほど自己犠牲の塊だったか、とも考えました。
母は人生のかなりの部分を子育てに費やし苦労もしていましたが、それは自己犠牲と感じさせるものではありませんでした。
その2つの差が何であるかを考えたとき、この映画には人生の8割を占めるであろう平凡な生活のちょっとした幸せが描けていないのではないかと思わずにはいられません。
映画というジャンルの特性上、2時間という短い時間のなかで話を完結させる必要があり、どうしても描かなければいけないイベントの目白押しになってしまいます。平凡な幸せをじっくり描くのは難しかったのだと思います。しかしそれを表現してこそはじめてこの作品の花の行動に説得力が生まれるのだと思います。
子育ては大変ですが子育てから得られる喜びもあるはずです。前者についてこの作品はしっかりと描けていると思いますが、後者についてはおざなりになってしまっている。そのためこの作品はリアリティに描けてしまっていると考えます
かなり踏み込んでるな~(^_^;)
『時かけ』と『サマーウォーズ』は大好きな映画(^_^)
細田守監督の最新作ということで、今回のこの映画も「変わったタイトルだな~」とは思いつつも、一定水準以上のクオリティはあるという先入観を持って観に行ったけど・・・
まさかここまで踏み込んでるとは∑(゚ω゚ノ)ノ
はっきり言って「性」をここまで前面に出した日本のビッグバジェットムービーでしかも子供向けアニメ映画ってあんまり聞いたことない((;゚д゚))ス、スゲェ
まず主人公の花は狼男と知り合って、徐々に仲良くなって、そこで事に及ぶわけだが、狼の姿で人間の女とっていうシーンをシルエット越しではあるけどはっきりと映す工工工エエェェ(゚Д゚)ェェエエ工工工
これには正直引いたと言うか驚いた(´・∀・`)
そして半ば過ぎたあたりから、娘の雪が同級生の草平から「お前獣の臭いがするな~」と言われるが、それを聞いた雪草平を避けるようになるわけだけど、つまりこれは生理のこと(;・∀・)
ラスト近くで台風が来て校舎に取り残された雪と草平が「俺の母ちゃん結婚して今妊娠してるんだ。そのうち俺は邪魔になる。」とかいう大人の事情を軽く話し出す。
この映画全体に性的な雰囲気が漂ってるという稀有なアニメ映画です(゚∀゚)アヒャ
他のサイトの感想とか見ると、花がまるで菩薩様のように何もかも受け入れて常に笑顔で・・・っていうのが多いけど、俺はそうは思わない(-_-)
映画の大前提に踏み込むようだけど、まず避妊なしに狼男と事に及ぶなんて考えなさ過ぎ(;´Д`)
仮に避妊してたらこの話自体成立しないわけであって、それはまあいいとして・・・
こういう天然と言うか不思議ちゃんと言うか、学生時代の友達が全然出てこないのもこういう性格だからあんまりいなかったのかな?と想像してしまう(゚д゚)
子育ての過程でも新聞が大量に投函されたままになってたり、ずーっと頭を抱えてたりするし、手を上げそうになるシーンもあるし・・・
菩薩様なんかじゃないれっきとした人間ですネッ(oゝД・)b
田舎に越して畑を耕すシーンで韮崎のおじいさんに「畑ってのは広く作らなきゃ駄目だ」と諭されるのも、物々交換をするために多めに作るためという原則をちゃんと踏まえてると感心した(゚д゚)イーヨイイヨー
最初は「どうせすぐ根を上げるだろ~」と周囲の目が冷たいし、畑仕事がいかに大変で手間がかかることかを見せてるのも、田舎は決してユートピアなんかじゃないという現実をしっかり提示してる(゚∀゚)アヒャ
何より秀逸なのが、最初汚かった家を掃除していくうちに徐々にガラスの模様とかタイルの流しがはっきり見えて来て、人間の家らしい生活感が出てくるところ。
車を買って家の中の家具や調度品が増えていくのも、野菜作りが軌道に乗って物々交換で生活も整ってきて、さらに収入もある程度確保できてきたのかなと上手く連想させますね(・∀・)イイ!!
特にあのガラスの模様とかタイルの流し、そして風呂の描写は俺が幼稚園に上がったばっかりの頃を思い出させて懐かしさをそそります(´ー`)
姉の雪は人間として、弟の雨は狼としてそれぞれ生きていくことを決め、雪は小学校を卒業して全寮制の中学に、そして雨は山の主の狐が死んでから後をついで山の主になるためそれぞれ家を出る。
つまり「親離れ」をする。
弟が山に入った時に、心配で後を追って山に入る花は逆にぶっ倒れて雨に助けられる辺りも、子離れできない親の心情、引いては「親の情けなさ」をしっかり映し出してる。
事実親って結構そういうところあるんだよな~と納得させるに足る秀逸なシーンですよ(゚д゚)イーヨイイヨー
ただ気になる点もいくつか。
恐らく人間社会に適合していった雪と違って、雨は狼の血の方が濃いのかすんなりと山の動物とコミュニケーションするようになって山に入るのはいいとしても・・・
人間として生活していたならせめてちゃんと母親を説得するなり事情をちゃんと話すなりしてから行くべきだと言いたい(;´Д`)
「先生、もうすぐ死ぬ。だから僕が・・・」と言っただけじゃ納得するはずもないだろと。
でも「親の心子知らず」と言うように、意外とあんなもんなのかも知れないなとも思うけど(^_^;)
雪が草太の目の前で狼に変身するシーンのカーテンの使い方は実に(・∀・)イイ!!
ただあの変身した狼のルックスがアニメチック過ぎと言うか(;´∀`)
ここまで性描写を映してるなら、そこはもっとリアル描写に振り切っても良かったんじゃないかと。
でも個人的には、誰もいない学校での秘密の共有というジュブナイル感溢れるあのシーンは心底萌えましたワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪
なぜか知らないけど、誰もいない学校って恐い反面秘密基地的な躍動感も感じられる部分もあるんだよな~(〃▽〃)
あと納得いかないのは狼男が死んでるシーン。
恐らく鳥か何かを捕獲しようとして本能的に狼の姿になったんだろうけど、その姿のまま街中で死んでるわけだが・・・
街中に狼の死骸があったら大騒ぎにならないか?
死体を清掃車に普通に放り込んでしまうのも情け容赦ない踏み込んだシーンだと思う。
でも今までこの狼男、引越し屋の仕事したりして生活費を稼いでたのに何でわざわざ野生の鳥を捕まえる必要があったのか?
その前にもキジみたいな鳥を持って帰ってくるシーンもあるし。
普通に金があるなら買えるんじゃないか?
あとこの狼男どこに住んでたんだろ?
家の描写が全くないのもどうかな~(゚∀゚ ;)タラー
折角免許まで取ってるなら住所不定なんてことはあり得ないわけだから、狼男のねぐらがどうなってるのかも観たかった。
映画に出てくるたれを瓶に入れて付ける焼き鳥の食べ方は、細田監督の奥さんの田舎で良くやってる方法らしいけど、これ観て焼き鳥食べたくなって映画観た帰りにスーパーに寄って焼き鳥買っちまった(笑)
とにかく子供向けアニメ映画としては「かなり踏み込んだ」映画であることには違いないし、教育上でもかなりいい映画だと思う。
大人の事情を子供にも見せる、そして大人も反省させられるというか目からうろこが落ちること請け合いです(^O^)/
子育て繁盛記。
感想を書こうとして、思い出していると涙が溢れてくる。
子育ての醍醐味をたった13年の営みで見せるだけだが、
子供たちの成長が早い(巣立ち?)せいか、妙に寂しい。
いや、寂しくても、実は嬉しい。花の笑顔が証明している。
おおかみこどもとはどういう意味なのかと思ったら、
オオカミ男と人間の間に生まれた子供たちのことだった。
まずアニメだということを念頭に置き、ファンタジーだと
思って観てみたが、これは現代を生きる母子の話だと思う。
子供たちが成長するにつれ、野生と人間との自我が発達し、
そこに戸惑う3人が映るが、これは人間の子育てでも同じ。
おおかみだろうと、人間だろうと、子供はどんどん成長し、
あっという間に親を超えて離れてしまうものである。
最も可愛かったあの時、このクソガキが!と思ったあの時、
自らの子育てを振り返っては、何度も頷いて何度も泣いた。
大好きな相手の子供を、どうしても産みたかったのだろう。
自らがオオカミ男に恋をして、その正体を知っても怯まない、
この花という女性の強さにまず驚いた。女の強さって、
実際こういうところに顕れるものよねぇ。見た目じゃなくて^^;
まぁ花にしてみれば、好きになった人がオオカミ男でした。
そういう説明でしかないだろう。雪のナレーション通りだ。
このような境遇に於かれ、その後母親は全力で子供を守り
育てていかなければならないが、現代の閉鎖的な子育てと
ある意味似通ったシチュエーションにしたのが面白かった。
花は閉鎖的な都会から拓かれた田舎へ引っ越しを決める。
そこには、子供達を他人の目から引き離す為の意味合いと、
おおかみになっても飛び回れる環境を作る目的があった。
そもそも大学生からいきなり母親になったうら若き女子が、
二人の子供(しかも人狼よ)を育て、田舎で自給自足だなんて
どう考えてもあり得ないだろうし、まずムリな話である。
まぁアニメだからムリを承知で^^;観ることになるのだが、
ここで花はイヤというくらい、田舎からの洗礼を受ける。
意地悪ではない、むしろありがた迷惑なほどお節介をする
ご近所さんとお付き合いをしていくことになるのである。
これが彼らにどういう影響をもたらすか。人目に触れずに
育てることが、果たして子供達の幸せに繋がるのだろうか。
助けを求めずに育てるから、育児ノイローゼなんてものが
始まるのだ。子育てはすべてひとりでできるもんじゃない。
他人の好意には大いに甘え、そこから子供達のこれからを
勉強させてもらうのが一番。先人達は何しろ知識が豊富(爆)
結果(もちろん子供達の性格その他もあるにせよ)
花をはじめ、3人は自分自身でどう生きるかを選択する。
家族以外の人間(あるいは動物)と関わることで、他者との
共存を学び、其々社会へと出ていく下準備が整うのである。
あんなに小さくて可愛かった子供達が、ずいぶんと成長し、
どう生きるかで取っ組み合いのケンカを始めた時、
(もちろん花は驚いただろうけど)こうなることは分かっていた
はずである。あのおてんばな雪は、大人びた女の子に成長し、
(学校に行きたくて花に言う「うまくやるもん!」が可愛かった)
臆病だった雨は、口数の少ない決意を秘めた男の子になる。
親が、そうしなさい。こうなりなさい。なんて言わなくっても、
子供はなるべき姿に成長していく^^;これはどうしようもない。
人間の子供でもちょうど変化が訪れるこの年頃を、
きめ細やかな表情でよく描いた。この監督はこういうのが巧い。
だから個人的には終始、これはおおかみか人間かの話でなく、
親がどう生きてきて、それを子供がどう受け継いだか、の話だ
とずっと思っていた。冒頭から流れる雪のナレーションには
親を怨むような空気などどこにも感じられない。
オオカミ男の父親と恋に落ちなければ、引き継がなかったはずの
自分たちの運命を、やれ親が勝手だの悪いのと、そんなことは
まったく言ってない。母親がそうしたように、雪も雨も自分の
運命をしっかりと受け止め、生きていく決心をしたことに拍手を
贈りたい。自分の運命は自分で切り拓いていくものである。
親なんて本当にそこまでの、ほんの手助けができるにすぎない。
それをあたかも自分の持ち物のように占有し、年端がいっても
親離れができない、そんな子供に育ててしまうのは親の責任だ。
反抗期のない子供を素直でいい子だ。なんて勘違いも甚だしい。
反抗を許さず自立の芽を摘んでいるのは親の在り方に他ならない。
そして子供は、そんな親の生き様をどんな形にせよ身につける。
子供達がまっすぐ自立できる子育てができればと、
今さらながら(遅い!)思っているオバさんもここにいたりする^^;
花の姿勢を見て、とても勉強になった部分がある。
それが正解とはいわないが、強く生きて欲しい願いは一緒なのだ。
(宮崎あおい、ピタリと声を合わせたのはさすが。声優もやれるね)
情報出しすぎ
正直監督さんの言いたいことはわかる。
でも予告編やら、いろんな特番で情報出しすぎて、ほぼ予測の範疇で終わった。
ZIPなんかではかなり核心に迫る場面を公開しちゃってたし、何も情報を得ずに見たかったです。
続編、ないし連続アニメとして映像化した方が、最後の余韻が高まったと思う。
中途半端な印象
ガッカリ。公式のあらすじ以上の事は何も無い。
CGで背景に動きをつけたのは新しいし、面白い。キャラクターを淡白目に描く細田作品にはあっていると思う。
内容はキャラクターの心情変化を中心としたエピソード集の様に感じた。物語として大きな盛り上がりを感じなかったので、映画でなくTVアニメのほうが楽しめたと思う。せっかく映画館で観るのにガッカリ
リアルとファンタジーの使い分けも下手糞。一家が田舎へ移り住む原因になるシーンに児童相談所?が出て来るが、これが物語りを中途半端に現実的にしてしまい、ツッコミどころ満載になってしまった。子供二人の出生届けを出している⇒おおかみおとこの死亡届は?⇒おおかみである事を選んだ雨の手続きは?田舎って狭いコミュニティーだよ?等々無粋な思いに駆られてしまう。ガッカリ
雪と雨の姉弟の絆も希薄な気がした。これなら別に兄弟にしなくても『おおかみこども』をテーマにしたオムニバス作品で事足りた。生き方が別れても家族の絆はあるはずだ。前作サマーウォーズで家族や人と人との繋がりを描いていたのに、花が田舎になじんでいくシーンぐらいでしかそれを感じなかった。
『人間として生きると決めた雪』と『狼として生きる雨』の二人が力を合わせて母のピンチを助ける、みたいなエピソードが最後に有ったらもっと盛り上がったと思う。
『現代の狼男』をテーマに話を作ろうと4.5人で飲み屋で話し合えば10組中6組はたどり着きそうな話で、大きな驚きも高揚も無かった。
コクリコ坂もだったがスタッフロールに入った途端に「これで終わり?」な消化不良感が残る。せっかくアニメでファンタジーなのだからもっと大胆に作ってほしかった。
脳内お山だらけ スーハー
初めに言っておきます。
僕は考察力も文章力も知識も無いため下記は小学生並みの感想文となっておりますのでご注意ください。
あまり前情報を得ていなかったので、イメージしていたものは子供たちの成長記録が中心の話だったのですが、母親の成長記録がこれほど描かれているとは驚きでした。
花ちゃん・・・いいですよねぇ。(決して変な意味でなく)
どんなに辛く不安で仕方の無い時でも笑顔を絶やすことはないその姿に具体的な生い立ちを想像せずにはいられなかったですよ。
そして、新生活を送るにあたっての母親力たるや。僕は屋根工事も農作業も経験があるのですが、体力に自信のある若い男子が胸の内で泣きながら仕事していたほど過酷ですのよ。汗だくでただひたすらに作業をするその姿たるやまるで修行僧のごとく。まあ、これはあくまでフィクションですけど実際の母ちゃんたちのパワーもこれに負けず劣らず感心してばかりですよ。
そして、危なっかしくていろいろと手のかかっていた子供たちが、いつのまにか成長し、いつのまにか生き方を決めている。見守るために必死でそれに付いていこうとするも分からないことが増えていく母のもどかしさ。先の方が書かれていましたが、決して狼人間の特殊さという訳じゃないんですね。
印象に残っているのは、雪が告白をする際のカーテンの演出。
三度目のカーテンで人として生きることを決めた雪の心を表現していて上手いなぁと感心してしまいました。ああいった演出は大好きです。
それと、雨の急な変化と本気の姉弟喧嘩。
経験あります。自分では理由なんてわからないけど、周りから突然「変わったよね」と言われる時があるんですよね。男なので女性については分かりませんが、男の子は体の変化と同じくらい急激に心も変化するのを思い出しちゃいましたね。
そして、姉弟喧嘩。これまた経験あります。
丁度これくらいの年のころ、姉と本気で喧嘩をし、暴力で倒してしまいました。それまでは虐められてばかりだったのに。泣き崩れる姉を横目に怒りで興奮した心の中ではどうしようもない後悔と悲しさも内包していたのを覚えています。その気持ちが、雨には人間として生きることはできないという決心を与えたのでしょうね。
他の方のレビューに書かれていたのですが、大沢さんはセリフのない日でもアフレコ現場に来ていて、それはラストの「ずっと見てた」というセリフを言うためだったのでは?というのを見て、どうしてあそこまで花ちゃんを愛おしく思う気持ちが伝わってきたのかが分かった気がします。
しかし、他の方もおっしゃっていましたが、どうしても納得のいかないシーンがあったのも事実です。ランドセルがあったのに教師はなぜ雪たちを探さないのかとか。ゴミ収集車とは何事だ、ましてや日本狼をとか。
学校置き去りはそのあとのシーンを作るための必要展開であるとか、ゴミ収集車は動物と人間との差をより浮きだたせるためのものだとか、そうした理由は分かるけどやっぱりおかしいなと思うところはありましたね。
まあ、見てる最中はそんなこと気にせず「どうなるんだ」とドキドキしながら見ていて、お隣の子連れママと一緒に感極まってましたけど。
雪を迎えに行かなかったやらなんとかは他の方と同じ考えです。
当事者の心情やら現状やら諸々を考えるとまさに望んでいた展開になったと思います。
時かけ、サマウォと見てきましたが、今作が最も心情を視聴者に委ねる部分が多かったと思います。主役の性格や抱えてる事の重さなんかも関係していますが、随所にちりばめられた間や原風景。全てを知っているわけではない雪の語りやラストの余韻なんかも考えさせられる要因だと思いましたね。
僕はそういった足りない部分の妄想、いや想像をするのが大好きなので今作は時かけと並ぶ、いや、それ以上に満足できた作品でした。
最後に、これを見終わって母ちゃんに会いたくなるのは自然ですよね?
また他愛のない話でもしたいなとしみじみとしています。
まあ、僕の母ちゃんは花ちゃん見たく大丈夫と頭を撫でるのではなく
「しゃきっとせえ!」と尻をぶっ叩く愛情表現方法しかしないんですけども。
こんな作品を作れるのは日本だけ!
心身ともに成長し、それぞれ別の道を生きていくと決めた「おおかみこども」。それを素直に応援する気持ちと、でもやっぱり寂しいと思う複雑な心情で送り出す花。その時の表情が印象的で忘れられません。
そこにいたるまでの流れがあるからこそ尚更込み上げてくるものがあります。映像は、みなさんのレビューに書いてある通り雨や自然の描写など、実写かと思うほどキレイなもので技術も格段に上がっているんだなと感じました。
海外でも上映され、本編終了後に約2分間もの間、スタンディングオベーションで称賛されたということですが納得できます。
鑑賞後、心から日本のアニメを誇りに思うことができる、素晴らしい作品でした!
素直に面白いと思えた作品。
突っ込みどころや腑に落ちぬ箇所もありましたが、素直に面白いと思える作品。
前作のサマーウォーズと同じく、細田監督作品に登場するお年寄りは非常に良い味を出している。
今回の韮崎翁も、ぶっきらぼうで手厳しくはあるものの
不器用なりに花へと自分の知識を教え込んでいるあたりがなんとも。
翁の左手薬指に嵌められている指輪が、その性格を物語っているよう。
所々説明不足で視聴者側に行間を読むように誂えられているようにも感じられますが、良い作品かと。
ラストの、嵐の日の告白と、素っ気無いと思えるほどの別離のシーンには胸を打たれました。
母親の花の性格を好きになれるかどうかで、評価が分かれるかもしれません。
小学3年生以上の女性に是非観てもらいたい映画!
この映画を「アニメだから」とか「画がかわいいから」とか「おおかみこどもの話だから」などの理由で小学生以下の男の子には観せないように!ほぼ間違いなく30分で飽きて暴れるでしょう。さらに女性に優しくない中学生以上の男子・男性もだめですね。この映画の良さ、面白さは解らないでしょうから。細田監督自身も語っているようにこれは「女性(母親)讃歌の映画」です。これは「母親の子育ての物語」であり、「こどもの成長の物語」なのです。設定は「キワモノ」にしていますが普通に実写映画並みの作品の質を持っています。是非、小学校3年生以上の「女性」に観ていただきたい、お薦めの映画です。後味が清々しい映画です。
全302件中、241~260件目を表示