劇場公開日 2012年7月21日

「【親離れ・子離れ/道】」おおかみこどもの雨と雪 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【親離れ・子離れ/道】

2021年7月19日
iPhoneアプリから投稿

小さい頃は人見知りで、親の陰に隠れて、穏やかだけど、あまり人となじめなくて...とか、明るくて活発で...とか、でも、大きくなるに従って、その面影とは正反対の大人になるなんてことは、かなりある気がする。

僕は、それは心が成長しているからってこともあると思う。

子供も自分なりに一所懸命考えているのだ。

時には自己否定もしてみて、自らのありように疑問を持ち、自分のあるべき姿を少しずつ積み重ねるように変化させていくのだ。

そして、大人になり、親離れするのだ。

しかし、冒頭で、面影とは正反対と書いたが、もともとの性格は心の奥底にとどまっていることも多いように思う。

雨の優しさはそのままだったではないか。

雪は、前向きな芯の強さを内に秘めていたではないか。

親の思い通りにならないことも多い。

それは、子供が成長することも要因だ。

だから、親の子離れも必要だ。

日本の田舎のコミュニティの良さや、都会や、学校教育になじめない子供、しかし、異なるものも受け入れられる子供の柔軟性などもモチーフになっているようで、なんか心温まる素敵な作品だと思う。

人の住まう場所も、獣の住まう場所も、バランスして僕達の世界は成り立っているのだ。

そして、大人と子供も変化しながらバランスしているのだ。

ワンコ