「お父さんとお母さんは」グスコーブドリの伝記 にこ。さんの映画レビュー(感想・評価)
お父さんとお母さんは
クリックして本文を読む
少ない食料を家族に残すために森に出ていったんだと思うんですが、他の人の感想を読むと親が子を捨てて!と怒ってる方が多いですね。
たしか、一番食べるお父さん、子供たちより食べるお母さんの順に死の可能性の高い厳しい冬の森に、僅かな食料を見つける望みを持って出ていって亡くなったと思うんですが。
原作を読んだのは子供の頃で大昔なので記憶が曖昧でしたが、原作通りの台詞を聞くとああそうだったと記憶が掘り返されました。
映像は幻想的で良かったです。
子供時代を幻想的にしたのは、辛い現実からの逃避の心理を読み取れて良かったのですが、
テグス工場が夢ではないことが原作を読んでない人はわかりにくかったようです。
今後、ブドリが人に支えられたことに気づくときにどうなるかな、と思ったのですが、そんなシーンが無かったので一緒に観た家族は夢の中だと思ったままでした。
ただ、ネリは賢治の妹をイメージしてあったので死んだことにしてはいけないんでは…。
原作では人さらいから開放されて大人になったネリと再会しますが、そのシーンと、
最後のブドリと火山局の人たちとのやりとりは観たかったな(特にこのシーン)。
私にとって、この作品は自己犠牲よりも、一人の人間の成長と実はたくさんの人たちに支えられていたこと、厳しかったの思い出に優しさがあったことへの気付きが醍醐味だったので、
そのシーンがカットされていたのが残念でした。
でも、震災があったのでラストの表現は仕方ないことだったみたいですね。
コメントする