「大事件ではないが素晴らしい人間ドラマ」別離(2011) こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
大事件ではないが素晴らしい人間ドラマ
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この作品は何歳の時に観るかで感想が大きく異なりそうだ。
若いほどに、登場人物の誰が悪いとか
嫌いとか判断してしまうかもしれない。
実際は、これに出てくる人々は基本的には善人で
世界中のどこにでもいそうな普通の人々だ。
それが些細なこと(とはいえ家庭においては大きな問題)で
全員が、自分は間違ってるとわかっていながらも、
◯◯のため、と理由があり
偽らざるを得ない。
それは精神の弱い人の言い訳とも受け取れる。
自分勝手だと責めるのは簡単だ。
しかしその立場に自分がもし置かれたなら、と
想像すると、この中の誰かに自分も該当する気がして
ならないのだ。
一体どうするのが正解なのか。
正論に従っても誰かが傷つくのである。
正しいものを信じたい年頃の娘はどんな結論を出すのであろうか。
どこの家にでも起こりそうな、ちょっとした出来事で
ここまで人間というものを浮き彫りにしてしまうとは
なんとすごい監督、脚本なのだろうか。
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