「いろんな世界のヤクザ映画の美学をグツグツ煮詰めて、韓流ラブコメのシロップで甘く絡めたような不思議な味わいの面白さ」青い塩 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな世界のヤクザ映画の美学をグツグツ煮詰めて、韓流ラブコメのシロップで甘く絡めたような不思議な味わいの面白さ
筋書きだけを読むと「何じゃそりゃ!?」の一言に尽きる。
親しくなった女が結婚詐欺師だったってぇなら『土曜ワイド劇場』とかでやりそうだが、殺し屋ってなると、噺が違う。
そもそもヤクザの親分が律儀に料理教室へ行くもんか。
しかし、最後まで見入ってしまった。
現実離れしたストーリーの浮き足立った感覚を逆手にとり、各々のキャラクターに上手く盛り込む事で、ラブロマンスとバイオレンスアクションが融合した新鮮な御伽噺に仕上がっている。
韓流・香港・日本そして、少々のハリウッドetc.etc.各国のヤクザ映画の美学をグツグツと煮込んで恋愛ドラマをまぶしている味付けのため、甘いっちゃあ甘いけど、塩辛いっちゃあ塩辛い。
北野ブルーと香港ノワールをベースに韓流ラブコメディで煮詰めていくんやから、そりゃあ不思議な味わいになるにキマッテる。
だが、クセになり最後まで飽きない。
その秘訣となるコクは、彼女の正体を知ったうえで、受け入れている親分の包容力であろう。
テレビドラマは未だ苦手だが、映画の大胆な面白さにはいつも脅威を感ずる。
では最後に短歌を一首
『狼の もてなすテグタン(タラ汁) 紅を射す 杯を咬む 牙を遺して』
by全竜
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