「いや〜〜凄かった。」アルゴ まゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
いや〜〜凄かった。
迫力満点でした!これは凄い。終始緊張が続くので非常〜〜に疲れましたが、事実に基づいてるというのがとにかく驚き。ニセ映画製作!?ええっ⁇と目が点に。最初は冗談かと思いましたし、スマホやネットが当たり前の今の時代から考えると更に色々驚き。
作品の冒頭は、アメリカとイランが仲悪くなった発端、イラン革命から始まっています。よく知らなくてググりました。超ざっくり、以下にメモしておきます。
イランは元々石油がたくさん産出されていましたが、これはイギリスがお金出して掘った石油。イギリスは「これはイギリスの石油だ」と言って独占しボロ儲けしてた。それに怒ったイランが「そんなアホな話があるか!これはうちの石油じゃ!」と主張。そこでイギリスとアメリカが自分たちの思い通りになるようなトップを立ててクーデターを起こさせた。この英米寄りのトップは自分は贅沢三昧で湯水のように金を使い、言うこと聞かないイラン国民を片っ端から逮捕していった。イラン国民は飢餓に苦しむ。これに怒ったイラン国民が暴動を起こし、そのトップは癌の治療という名目でアメリカへ亡命。イランの首都テヘランにあったアメリカ大使館が襲撃され、大使館職員はカナダ大使館に逃げ込んだ。そこからベンアフレックがイラン国外へ職員6人を脱出させることに成功するという、奇跡の話。残りの人質が解放されるまでには444日を要した。
映画らしくしっかりエンタメに振り切っており、絶妙なタイミングでこれでもかと畳みかけるので、ハラハラドキドキしっぱなし。まるで自分自身が6人と一緒に国外へ脱出するような擬似体験が出来ます。何より、「遠い中東のことでよく分かんないのよね〜アメリカとイランて何で仲悪いの?」となりがちな日本人にとって、時代の空気を感じるには非常に適した作品と思いました。
これはあくまでもアメリカ側から見たお話なので、イランが作ったらまた全然違うんでしょうね。(ベンアフレックはやっぱアメリカ人なんだな〜と改めて感じました)日本とて言えた義理ではないのを百も承知で言いますが、イギリスやアメリカが他所の国々でしでかして来た数々の横暴極まりない所業には、歴史を紐解く度に驚かされます。
トランプさんが再選されて、オバマさんがせっかく10年くらいかけて交渉して成し遂げたイラン核合意が水の泡。この核合意にはサウジアラビアも賛成してたのに、本当になんつーことをしてくれたんだ…とガックリ来ましたが、果たしてこの世界はどうなって行くのでしょうか。