劇場公開日 2012年10月26日

  • 予告編を見る

「アルゴ クソ食らえ」アルゴ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アルゴ クソ食らえ

2013年3月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

祝!本年度アカデミー賞作品賞受賞!

昨年10月の公開時は僕の住んでる町では上映されなかったのだが、有り難いリバイバル上映でようやく見る事が出来た。間もなくレンタルもされるが、そんな事は関係ない。劇場で見たかったのである。

イランのアメリカ大使館員を国外へ脱出させるCIAの奇想天外な作戦。
映画に打って付けのユニークな話だが、これが史実なのは周知の事実。
まさに、事実は小説より奇なり、だ。

確かにこの映画は面白い!別にアカデミー賞を受賞したから言ってる訳ではなく、純粋にそう思えた。

冒頭からグイグイ引き込み、緊張感は失速する事なく、最高のカタルシスへ。特に終盤の空港におけるハラハラドキドキは映画を見る醍醐味に溢れる。

当時のイランの時代背景は複雑だが、冒頭で簡潔に説明し、後はすんなり作品世界に入って行ける。
CIAの活躍はアメリカの正義だけを訴えているのかと思うと、作戦の背景にはアメリカとカナダの協力があり、また、イランの治安の悪化はアメリカの罪である事も忘れずに描き、アメリカの独り善がりの正義ではない点にも好感。

所々挿入される映画ネタやハリウッドへの皮肉や風刺にニヤリ。毒舌映画プロデューサー役のアラン・アーキンと「猿の惑星」で知られる特殊メイクの第一人者ジョン・チェンバース役のジョン・グッドマンのやり取りは、張り詰めた緊張感を一瞬和らげ、メリハリを利かせる。
そして、人命を救う作戦が映画である事が、何より素晴らしい映画讃歌。

エンターテイメント性、社会派メッセージ、映画愛…それらを見事にまとめ上げたベン・アフレック監督の手腕は“賞”に値する。
受賞式で司会のセス・マクファーレンも言っていたが、作戦が極秘だったからアカデミー会員は監督名を知らなかっただけなのだろう、きっと(笑)

面白さは近年のアカデミー賞作品賞受賞作の中では最上。
何はともあれ、アカデミー賞おめでとう、ベン!
次は是非、作品賞・監督賞をW受賞を!

近大
kossyさんのコメント
2020年1月27日

現在の米イランの関係悪化にはこうした歴史があったからこその産物。
今ではアメリカ国内で石油産出してるから昔のような争奪戦はないものの、核開発というのが邪魔してますよね~これからも緊張の歴史はイランから始まるのかもしれませんね・・・

kossy