「ベスト・バッド・アイデア」アルゴ ソーヤさんの映画レビュー(感想・評価)
ベスト・バッド・アイデア
なんとなくリチャード・アッテンボロー監督の『ガンジー』などを思い浮かべながら観ていました。
やや色褪せた感じの画調が、劇中、時折挿入される当時のニュース映像と違和感なく、事件当時のリアリティを感じさせてくれます。臨場感を出すため、手持ちキャメラ風にわざと揺らしたりブレさせるといった流行りのキャメラワークを採用しなかったのは正解ですね。
また、これも意図的なのでしょうが、ストーリーは定石どおりに進行し、ムリに煽ることなども決してしません。そのためか、ところどころで、70~80年代制作のアメリカ映画を観ているような錯覚さえ覚えました。きっと東京12チャンネル(!)のお昼のロードショーでさらりとオンエアされてても違和感ないでしょう(笑)。
そして、ストーリーや人物造形がやや食い足りない分、ジョン・グッドマン、アラン・アーキン、ブライアン・クランストンら脇役陣がイイ味出して映画を牽引していってくれます。
ここらを計算ずくでやっているあたり、アフレック監督さすが!と感心しました。
ところで、劇中「ベスト・バッド・アイデア(数ある愚策の中で最もマシな、まずい考え)」というセリフが出てきますが、とっても印象的でした。このコトバ、ぜひ私も日常生活の中で使ってみたいです。
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