「CIA職員(救出のプロ)による自国民の救出作戦劇」アルゴ 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
CIA職員(救出のプロ)による自国民の救出作戦劇
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所々、自分の作った作品を馬鹿にして笑いを取りつつも(Argo fuck yourself!)、結末はこの作品の背景を考えれば分かりつつも手に汗にぎるような緊張感がぴんと張り詰めている作品。同性から見てもイケメンなCIAの奪還のプロであり今作の主役であるトニー・メンデス(俳優:ベン・アフレック)の活躍や葛藤を見ていても面白いのだが、個性の強い映画プロデューサー(レスター・シーゲル、俳優: アラン・アーキン)や協力者ジョン・チェンバース (ジョン・グッドマン)を見ていても面白い。しかし、作品は2hrに作戦のあらましをギュッと押し込んだ形と為っている為、人物の深堀りは無く、緩急ある物事の連鎖をジェットコースターに乗りながら楽しむという形で鑑賞することとなり、見終わることでアルゴとは何だったのかが分かる仕掛けである。見ている中で所々その緩急を強めるために話をもったやろと思うところはあったが(wikipediaを見れば事実と異なる処が簡単に紹介されている)、それはそれで楽しめた。ラスト、航空機が離陸した後、皆が感極まる処は、涙こそでないが胸がツーンとするような共感を得ることができた。最後に、この作品は六人の自国民の命を知恵を駆使して救う事をテーマとして描く事だけにフォーカスを入れているため、その背景はこの作品からは背景でBGMのように流れるニュースからしか分からず、事前にそういう知識が無い上でよりこの作品を理解したいのならば他で調べる必要がある事に留意されたい。
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