「ある意味SWのスピンオフ」アルゴ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味SWのスピンオフ
1979年11月4日に起こったイランアメリカ大使館人質事件。事件の直前に大使館から脱出した6人の外交官を架空のSF映画『アルゴ』のロケハンに来たスタッフに偽装して潜伏先のカナダ大使公邸から国外に退去させるという珍作戦がほとんど実話だということに驚きます。当時私は今の長男と同じ小6でしたが、当時の空気感、時代の醸す臭い、テレビ映像の質感は脳裏に焼き付いて、映画が始まったその瞬間にそれらが目前に広がるような錯覚に陥るほど実に丁寧に映像化されていて感激しました。
この突拍子もない作戦を表から裏から支える様々な人々の勇気と正義。
相反する思想を併せ飲むテヘランの街の荘厳な美しさ。
ヴァン・ヘイレンの『踊り明かそう』。
ダイアー・ストレイツの『悲しきサルタン』。
レッド・ツェッペリンの『レヴィー・ブレイク』。
70年代の大人達って本当にかっこいい。
私は当時からずっと紫煙の向こうで談笑する彼らに憧れ続けていますが、何十回歳を重ねても一向に近づけない。主人公トニーの長男の部屋に所狭しと並べられる玩具たちを眺めていると私は死ぬまでこの子供部屋から出られない大人なんだなと胸が痛くなりました。
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