ノア 約束の舟のレビュー・感想・評価
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人は愚かだけど愛おしい。
よもや、ダーレン・アロノフスキーがこのような映画を撮るとは夢にも思わなかった。聞けば、「π」を撮った頃には構想があったらしい。
神の使徒として使命を全うしようとするノア(ラッセル・クロウ)。そのためには産まれるべくして産まれた我が孫まで手にかけようとする。
カイン(レイ・ウィンストン)の、自分が生きるかどうかは自分で決める、という論にもうなづけるところがある。だからといって、人の物を盗むなどは言語道断ではあるが。
文明と切り離されたというか、まだ文明未発達の時代の話。それがそもそも話に入り込みにくくさせている。
なぜ彼らは英語をしゃべっているのか。ほんとのところ言語はどこまでできあがっていたのか。
そこのところがやはり少しひっかかる。
が、アロノフスキーは力技でノアの箱舟を映像化したわけで、その意気やよしである。
ラッセル・クロウの仏頂面で物事をおし進めていく姿勢もすごいものがあって、近年では最高の部類の演技であった。
願わくば、まったく知らない役者で描いてもよかったのかな、と思う。
思ってたのと少し違ったけれど…
何が善いのか、ずーっとモヤモヤしてたけれど、
イラがノアに言った一言がなんだか妙に当てはまりました。
映像はすごいですね!エマ・ワトソンの演技や表情にもうっとり。
全く共感できないのが辛い
『ノア 約束の舟』を鑑賞。
映像化は不可能と言われてきた「ノアの箱舟」伝説を圧倒的なスケールで映画化したとの事。
主人公ノア(ラッセル・クロウ)は夢の中で神のお告げを聞き、大洪水が起こる事を知る。そして、人間以外の生き物を救うべく箱舟を造り始めるのだが…。
世界的には大ヒットしているらしい本作だが、聖書を題材にしているからかツッコミどころ満載過ぎてイマイチ楽しめなかった。
ノアが神のお告げを忠実に守ろうとすればするほど観客が嫌な気分になる展開が辛い。
主人公であるはずのノアの主張に反対する家族の言い分や、箱舟を乗っ取ろうとする悪役の言い分が極めて真っ当であり共感できる。つまり主人公に全く共感できないのである。
もっとも神のお告げなのだから人間になど理解できるはずもないのだが。
しかしこれでは感動が生まれるはずもない。
映像はハリウッドらしく豪華絢爛な仕上がりで迫力も満点なのだが、逆にこれもハリウッドらしく中身が物足りない作品であった。
人類への戒め。そして希望。
『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督の作品ですが、『ブラック・スワン』ほど難しくはありません。
まぁもともと『レスラー』の監督ですから、『ブラック・スワン』がちょっと難し過ぎたのかも知れません。
前記2作は個人的には好物(特にレスラーは)で、本作も好きな作品でした。
私と監督との相性が良いのでしょう。
そして本作ですが、
ノアの方舟伝説ということで、当然ながら宗教色の強い作品です。
しかしなかなかの超大作です。
傲り高ぶった人間への戒め、世界の再生、使命か愛か?
人間の存続する意味は?
いろいろ考えさせられる作品です。
劇中次男のハムが語る「優しい心を持とう」は本作のテーマかもしれない。
少し残念なのは、残された人間達が何も変わっていなく良き心も悪い心も持ったままだと言うこと。(あえてそうしているのだろうが…)そしてこの先も歴史は繰り返してしまうのか?と言う疑問が残ったこと。
愛を選ぶこと。これは素晴らしいことだが、本作では違っていてもそれはそれで良かったのではなかろうか?
ラストがあまりにもハリウッド的過ぎた気がする。
二度目の子守唄。
あれは泣けた。
スペクタクルと思いきや
壮大なスペクタクルを連想させるような題材、ラッセルクロウという大者を使っても、こんなにつまらなく仕上がるんやと逆にびっくりしました。
予告以上のものはありません。
眠れます!!
パーシージャクソンとハリーポッターの若手2人に2点!
ノア 独断の父
「ノアの箱舟」伝説は有名な話なので、映画化も数多い。
大洪水のシーンとか子供ながらに覚えているもんなぁ…
分かり易い形式で話は進んでいくので、ノアが何でこんな事
になっている(箱舟作り)のかは理解できる。冒頭の流れから
ノアが神の啓示を受けた選ばれし人間、として描かれており
なんだか、とってもいい人のように(失礼)思えるのだ…が!
中盤以降、身勝手もほどほどにしろよ!と言いたくなるほど
ノアの方向性は独断専行状態に陥っていく。
これでは何が正しいのか分からなくなってくるところが怖い。
怖さに加え非常に嫌な雰囲気を醸すのがアロノフスキーっぽい。
動物を助けて子供を殺すだぁ??何言ってやがるこの親父!
この戦慄が止まらない。
聖書の引用からだいぶ脚色されているようで、ノア夫婦には
女の子がいないので、つまり誰かが息子の嫁になって子供を
産まなければ子孫は繁栄しない(今の人類がいなくなる)ので、
養女イラを登場させる。これが美しく成長したE・ワトソン。
この人は顔も美人だけど演技もすこぶる上手い。義母親役の
J・コネリーもこんな感じの女優さんだった。若い頃から品の
良さそうな賢婦ぶりと落ち着きと知性を備えて難なく母親役を
こなしてきた。似ている二人が新旧で並んでいるのが面白い。
ノアはもうR・クロウで大正解。彼なら何でも作っちゃうだろう。
しかし父親がクロウなのに、息子たちの生っ白い現代っ子面!
それを言ったらエマだってキレイ過ぎるんだけど、あの時代
まるでエステしたての顔の人間なんていなかったはずなのに。
あとつば(痰)の吐き方ね。お前らはニューヨーカーか!?と。
過去と現代の入り混じり方が珍妙な分、分かり易いのかしら。
さて、私的にエマとL・ラーマンの共演が何より嬉しかった。
大好きな「ウォールフラワー」のコンビだ。エマは兄の恋人と
いうことで、今回も姉弟の関係になるんだけど(またこの感じ)
繊細な演技がやはり絶妙。彼の立場が一番辛いところも同系。
ラストのラストでイラがノアに云う一言が啓示の解釈を物語り、
宿敵カインの言葉にも一理ある。的を得た台詞から学べる作品。
(でも仕上がりとしては今一歩。どす黒い映像が先行しちゃって)
つまらない
高評価してる方もいるので相性かもしれませんが、私はつまらなかったです。
何度も寝そうになってミント食べてなんとか起きてたぐらいです(笑)
焦点が当たってるのはノアと、その周りの人間模様。
個人的にノアのひとり思いつめた感じや家父長制的な雰囲気が苦手でした。
女性陣も泣きわめいたり懇願したりで弱々しいし、長男はキャラないし次男もなんか悶々としてるだけの子って感じで誰ひとり魅力的に見えませんでした。
動物が集まってきたり大雨からの洪水シーンなんかはまあ迫力あったけど、2時間の退屈を埋めるほどの効果はなかったですね…
久々にお金と時間がもったいなかったなと思いました^^;
ノアの目が途中怖かった
人類を滅亡させる仕事を神に命じられたノアが、動物を救うためだけに箱舟をつくるって・・・かなり斬新な解釈ですね。
そのため途中ノアが、家族の反対に遭っても、生まれてくる子供も殺すと言い張るあたりは、ちょっと怖かったです。
迷った時に神に祈るのはいいんですが、神に祈れば祈るほどノアの目が座ってくるっていう描写は、うーんていう感じですかね。
まあ最後には、それが愛による転換をするんですけれど、なんとなくすっきりしないような映画でした。
聖書には、ノアの時代暴虐が地を満たしたとありますが、その辺の描写は、確かにリアルでエグイです。
何と言っても、こういう聖書の映画ができるアメリカっていう国は、やはりキリスト教の国だなって思いました。
思っていた映画とは
大分違うものでしたが、DOLBYの3Dの大迫力で楽しめました。
内容はまぁ特にはないのですが、中盤でナーマ(ジェニファー・コネリー)が声を掠らせ泣きながらの演技は流石としか言えませんでした。
彼女の映画をまた見返したいと思います。
つまんないなんて言う人にはもう一度観ていただきたい
原作や宗教?じみたことに全く詳しくない自分ですがとても楽しめました
泣くところはある人にはあるのかもしれませんが自分にはありませんでした
途中で寝たとかつまらないなんて書いてる人は内容を理解していないだけであって
どんな映画にも負けず劣らずの良作の1つです
内容が分かりにくいだけです
それと外人さんの演技の良し悪しは分かりませんがラッセルの演技と終盤のエマワトソンンの演技は頭に残ります
それ以上でも以下でもなく
あまり期待をしていなかった
のですが、その期待を悲しい
かな、やはり裏切ってはくれ
ませんでした。
キャスティングが何だかな…。
ラッセル•クロウが浮腫んで
見えるのは私だけ?
体型がノアに相応しくない
ような、、、。
まさか!病気?って…。
他の役者さんにもetc…。
物語も特に今さら映画にしな
くてもいいような…。
途中、寝てしまうんじゃない
かと心配でしたが、何とか
時間が過ぎてくれました。
お疲れ様でした。
箱舟の密室サスペンス
ノアの幻視や、アダムとイブの子孫の持つ、神の遺伝子ともいうべき超然とした体力や神通力などが、抽象的でことさら大げさに描かれないところがいい。
あくまで人間として描いているが、人間を少し離れたところにいるような。
一番気になっていた、箱舟伝説で一番有名な動物達を集める場面をどう表現するのかと考えていたら、勝手に番(つがい)としてやってきた(笑。
箱舟を作る材料として森林が生えていくなど、その辺は変に新解釈をこじつけず、神の「みわざ」として直接的に描いている。
大洪水が起こるまではありきたりなノアの物語だったが、そこから【ブラック・スワン】で魅せたダーレン監督の手腕が発揮される。
聖書の荒唐無稽な世界から一転、密室サスペンスに。
まさか、神の意志を遂行しようとするノアと、産まれてくる子どもを守る家族との精神的な闘いになるとは思いもよらなかった。
神はあくまで「人間の滅亡」を望んでいて、次男・三男は妻を娶らずに寿命が尽きたら死ぬのだと説き伏せていたノア。
そこへ長男の妻が妊娠し、激高する。
なぜなら神の意思を貫く為には、自分が殺さなくてはならないから。崇高な命令を全うすることのみを目的とした彼は、どんどん狂気じみていく。
家族が馬鹿みたいに手放しで妊娠を喜ぶ様をみて、ノアは心底自分たち人間が愚かだと痛感する。
箱舟が完成し、人を見殺しにした罪悪感に耐えに耐えていたこともあるが、ノアは自分も含め、いつカインのようになってもおかしくないと悟る。ここにキリスト教の絶対的な性悪説が感じ取れる。
「善良な人間だから神に選ばれたのでは?」と問う家族に「任務を遂行できると思ったから選ばれた」と答えるノア。
本来の聖書ではノアと息子たち3組の夫婦が箱舟に乗り込んだことになっている。
そこを変更し、息子の妻となる娘は幼い頃ノア一家が拾った孤児、恋人のいる長男をうらやむ思春期の次男、まだ子どもの三男という設定にしたことが、このサスペンスを生む。
妻を娶りたい次男ハムは「子孫を増やさない」と固く心に誓うノアとことごとく対立する。
そこへ「生きる権利を勝ち取るのは人間だ」とこっそり乗り込んでいたカインの末裔に唆される。
最後にノアの元を離れるハムは、ある意味純粋ではあるものの、自然界を駆逐し貪るように増えていくこれからの未来の人間を示唆するものがあった。
聖書をそのまま表現するよりも、ずっと人間くさい葛藤を描いたこの脚本はうまい。
ただ、ノア一家の周囲や祖父の住む山までの道のりが徹底して荒野だっただけに、他の人間の営みがちっとも垣間見えなかったことや、それにより洪水で浄化させる人間達が生活感の乏しい記号化された存在としか捉えることができず、ノアが置き去りにした人間たちへの苦悩が全く感じられなかったこと、カインの末裔が高度な精錬技術を有したとは思えないことなどが、残念。
失楽園の原因となった蛇の抜け殻が、聖書に伝わる「ノアの一子相伝の秘術」という点や、ノアの箱船を手伝う堕天使(ウオッチャーとしたのは些か不満も残る)が、死ぬことが解放=神の元へと還るという構図は良いと思った。
ファウンテンのリブート
この内容に、この予算感でGOを出させた、ダーレン監督が凄すぎる。全国公開があり得ない内容。昨日観た「ホドロフスキーのDUNE」に通じるものあり。カルト映画。
過去の事実は変えられないが、今を肯定できれば今を形成してきた過去も肯定できる。
新宿にて観賞後喧噪に揉まれ、人間多過ぎるな。あの時ノアはあの子たちを殺めていれば、、、と思えば、「より善く生きよう、もっと自然を感じたい」と思ったりもした。
監督の過去作、ファウンテンのモチーフが散見されたが、それよりエンターテイメント性をあげようとしていた風に見受けられた。
旧約聖書自体ファンタジーであるのだけど、こちらの勝手な思い込みで歴史物として捉えてたところ、”番人”の登場によってロードオブザリングのような空想ものに寄せられ、若干入り込みのハードルをあげられてしまった。
ーー ある一つの決断を下す ーー
マイケルサンデルの正義の話にもあったような「究極の選択」がこの映画の裏テーマだったのかと思う。
僕たちが今生きている現在は過去の様々な選択から成り立っており、その過去の選択に”もしも”を考える事は多いが、それこそファンタジーでしかない。
過去の選択・判断は今を作り、その今に満足できないのであれば我々が次の一歩を決めればいい。そういう非可逆性の時間軸上にこの世界は成り立っている。
子供の頃、バタフライ効果という言葉を知って自分の一挙手一投足に恐怖を感じるという頃があった。一つの小さな事象が思いがけない方向に発展していくというやつだ。
今となってはそんな事考えもしないが、それでも人々の言動・行動は次の人々を形成し、他人を影響し社会を形成していく事実はある。
そんな中で僕たちは何を考え行動していけばいいか。
この映画でノアは信仰を最大の選択としていたが最後は愛と慈悲を選んだ。
それが正しいか否かは未来の僕たち次第だ。
過去の事実は変えられないが、今を肯定できれば今を形成してきた過去も肯定できる。
そう過去の判断が正しかったと言えるように今を生きていく事が大切だよ、とこの映画は言っていたのかもしれない。
少し飛躍しすぎかもしれないが。
ツッコミどころ満載の新解釈「ノアの箱舟物語」
先週、「ノアの箱舟」を観て以来、なんだか引っかかっていて、スッキリしないので、頭の中を整理するつもりで書いてみます。
ネタバレ満載なので、まだ観ていない人は、どうぞパスしてください。
でも、興味のある人は、読んでから観てもらった方が楽しめるかもしれません。
有名なお話ですし、結末は最初から決まっているのですから。
知らない人は、予備知識として旧約聖書の創世記のくだりをサラッと読んでから観るといいかもしれません。
「アナと雪の女王」の時も思いましたが、原作にこだわりすぎると矛盾点ばかりが目について、映画の世界に入って行けず、違和感ばかりで楽しめません。
この映画も、旧約聖書の創世記、「史実」として観ると、とにかく脚色が多くまるで設定が違うところが目につき、せっかくの俳優の迫真の演技も嘘くさくなってしまいます。
この映画は、旧約聖書の創世記の「ノアの箱舟」にヒントを得た、ダーレン・アロノフスキー監督の新解釈による、「ノアの箱舟物語」なのです。
監督が、原作を読んで、疑問に思ったこと、想像したことを、映像化してみたら、現実的にはあり得ない矛盾点がたくさん生じてきたので、自分が描きたいヒューマンドラマに必要のないところは、SFファンタジー仕立てにし、神とノアと家族と人間との間に起きたであろう「葛藤」を現代風に再現した映画なんだと思いました。
何と言っても、ノア達の服装からしてズボンはジーンズにしか見えないし(^^;;
見ながらなるほどなと思ったことをいくつかか挙げて見ます。
*創世記では、ノアは600歳で箱舟は、100年かかって家族で作られたことになっているなんて、現実的にはあり得ない。それを現代風にアレンジしてみた?
*昆虫から動物、鳥類に至るまで、世界中の地上の動物一番ずつが集合して箱舟に乗り込むわけだけど、餌とそれを食するもの達が40日間共存するためには、眠らせるのが一番いい。
*神の裁きも洪水も信じなかった人間達が、いざその時が来たら、「蜘蛛の糸」よろしく自分だけ助かろうと箱舟を襲撃して乗っ取ろうとするのは、十分予測できる行為だと思う。
*40日間、ノアの家族は、助けを求めて叫ぶ人々の声を船内で聞きながら、どう思っていたのだろう?
自分たちだけが安全な場所にいて、「神に選ばれた家族」として、けして安穏としていたわけではなかっただろう。
人々の悲鳴を聞いて居た堪れなくなったノアの妻が、「あの人たちを助けて!」とノアに迫るところには、すごく感情移入してしまった。
*神の言葉は絶対で、神に生かされ、神に守られ、神に従うだけでは、「人間」ではない。知恵の実」を食べた人間なら、自分で考え、選択し、行動してこそ「人間」なのだ。
ハムの悔しさを受け入れ、父に秘密を持たせ、復讐を煽る残酷な人間の王の言うことにも、一理あると思ってしまった。
*ノアがセムとイラの子どもを殺そうとするのは、あの時代、神のために我が子を生贄として差し出すのは珍しいことではなかったはずだ。
それは、神を崇める国の万国共通の意識や行為だっただろう。
でも、あれだけ凄惨な人類滅亡の片棒を担いでおきながら、最後に自分の孫娘の命は助けるというのは、ギャップがありすぎだけれど、ある意味、そこでノアは「正気」に戻ったのだと思う。
神託を遂行しようとする時のノアはさながら上記を逸した「殺人鬼」に見えた。
そこまで自分を追い込まないと、人類を滅亡させることなんて出来ないだろう。
最後に、空に虹がかかるシーン。
私は幼い頃、このシーンを
「神様は、ちょっとやり過ぎちゃったかなーと自分でも反省してね、もうこんな酷いことはしないよと、約束の印にお空に虹をかけたんだよ。虹は、神様と人間とのゆびきりげんまんなんだよ。」
と、教えられた。
(私はカトリック幼稚園生だった)
ラストシーンを監督はどんな思いを込めて作ったのだろう。
*この映画では、神はノアに、人類は滅亡させず、生き残る価値のあるものかどうかを選択させたということなのだろうか。
この映画の大きな矛盾点は、ノアの3人の息子のうち、セムしか結婚していないことです。
それも、ノアはイラが子どもを産めない体だからセムとの結婚を許したことになっていて、妊娠したことがわかったら、まるで人が変わったようになり、
「生まれてくる子が女の子ならその場で切り捨てる」と言い、逃げる息子夫婦を執拗に追いかけ邪魔をし、生まれた孫娘達の命を奪おうとまでします。
まるで、助かった自分たちだけが子孫を残すことは、神の命令に背く大罪かのように。
そんな「葛藤」は、ノアという人物像を描く際に、必要なことだったのでしょうか?
ノアが神から託された使命は、人類を絶滅させることではなく、洪水後の新しい世界で、少しでも多くの生きとし生けるものの命が続くように種を保存することだったはず。
ノア達家族は、善良で信心深いところをかわれて、人類の種の保存のための「サンプル」なのであって、その人類の種の保存を断ち切ることこそ神への大罪なのでは?
創世記によれば、箱舟に乗ったノアの3人の息子は全員結婚しており、現在の全ての人類・民族の祖先は、ノアの3人の息子夫婦の子孫が、大洪水後に世界中に散らばって広がったことになっています。
この映画に出てくる人物設定では、人類の祖先のことに関しては、観客に丸投げです。
これでは、ハムとヤペテの子孫に当たる民族からは、バッシングを受けても仕方が無いかもしれません。
ちなみに、日本人はヤペテの子孫に当たるのだそうです。
ノオ!期待外れの舟
期待大で望みましたが、期待外れの出来でした。しかしノアの方舟の話を2時間も引っ張ると、こんな作品になってしまうのかな・・。ノアの方舟と言えば、天地創造を思い出しますが、あちらの方がシンプル・イズ・ベストです。方舟のデザインが、船でなく箱形なのは斬新でした。
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