「物語が粗雑」ノア 約束の舟 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
物語が粗雑
総合:60点 ( ストーリー:50点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
結構な金がかかった大作のようで、映像も迫力があるし演技演出の質感は悪くない。その部分には得点をつけられる。
だがどうも話が説明不足で解りづらい。何かと都合が良いし、宗教的な価値観も出てきてのめり込めない。ノアは職業不詳で郊外で寂しく何をしているのか、町に住む住人はどんな人でどういう関係なのかもわからず、いつの間にか舟を作っているし、動物は勝手に舟に乗り込んでいるし、戦いに関わらずあっさりと他の人間をほぼ排除できるし、神とどういう契約になっているのかもよく把握できなかった。
それでいて祖父が超能力を持っていて娘を治療するし、神の意志に沿うことを至上とする原理主義的価値観で行動する。そんな姿についていけなかった。そこまでするのならばなぜそこまで神に忠実であるのかという理由の説明が欲しかった。それともこの宗教の世界では神は絶対でノアが神に忠実であることは最初から当たり前ということなのかな。
作品をしっかりと理解出来なかったのは自分にもかなりの過失がある。138分の原版に比べて短縮されていて実質的に105分ほどのテレビ放送を観ての感想なので、こんなものを観てしまった自分の落ち度でもある。観た後で随分と長い作品だったものがかなり短縮されていることに気が付いた。それでも短縮版といえこの展開ならば、いつか原版を観直そうという気にはあまりならなかった。
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