「枯れてもおトム様。」アウトロー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
枯れてもおトム様。
どこからどう見ても、
アウトローにも、流れ者や無法者にも、全く見えないのがおトム様。
(すごい親日ぶりだし、ファンへの挨拶も徹底してる)
そんな彼を堂々と使って、新シリーズ!?を始めるのかなと思うと
一体どんな内容なのかと^^;(原作は知らないし)思っちゃいますね。
どんな悪役やったって(人殺しでも)共感させちゃうお人柄ですから。
で、観てみたらやっぱり、いい奴じゃん!?となるのだけれど、
今回のJ・リーチャーっていう役、今までとそう変わりないヒーローと
思わせながらも、いい枯れ具合に靡いてきた今のトムに合っている。
なんかこう、ギンギラギンの油膜が剥がれて(変な言い方ですけど)
クリンビューで拭かれちゃった元・大スターが孤軍奮闘するという、
昔とった杵柄を温めつつ、もう前へ前へとアピールせずとも進める
余裕?のようなものを(なんかめんどくさい言い方ですが)感じます。
いい感じに枯れ始めてきたねぇ?そんな感じ。
なので、競演する若手たちがノビノビと演技力を発揮できている。
もうトムも、そういう歳になってきたんだなぁーと^^;
しかし彼がギンギラギンだった頃の映画ファンとしては、やはり後半、
あの元・海兵隊のジジイ(いいよね~デュヴァル)との共闘が心地良い。
たった一人で悪に立ち向かう肉体系かと思わせといて、なかなか
推理面でも(冒頭付近は)唸らされ、なぜ一度に5人もの無関係な人間が
殺されてしまったのかが、リーチャーの口からツラツラ解明される行は
非常に面白かった。このあたりは原作がそうなのかしら。
つい先日も、こんな結末を迎える作品を見たような気がするんだけど、
絶対コイツは味方だな、なんて思わない方がいいんだろうかねぇ^^;
意外な人間が悪と癒着しているケースは多々あるが、けっこうそのまま
終わっちゃって、エ?そうなの?どうして?なんていうこちら側の疑問
(一応ちゃんと説明はされてるけど)が、まるでそっちのけだったりする。
まぁ主題はそこじゃないんだからさ…と言われればそうなんだけど、
せっかくのエンターテインメントがスッキリしない終わり方をするって
いう、モヤモヤしたのが最近は多いな~、なんてオバさんは思うのだ。
仕方ないのでR・パイクの端正な美人顔を見て、楽しむことにしましょ。
幾ら枯れてきたとはいえ、さすがの肉体美(脱ぐだけあってね)のトム、
何か着てちょうだい、シャツはコレしかないんだ、なんていつの時代の
台詞言ってんだよ?と思いながらも、
あんな上半身を見せつけられてウロウロされちゃ~たまんないわよ。
突然次の場面で谷間の深いシャツを着てるパイクにもビックリしたけど。
最後まで可哀想なのは犯人役のバー(J・シコラ)で、軍隊にいた時から
この人には良いこと(やりがいっていうのも変だけど)がなかった訳よね。
まぁせめて、リーチャーと顔見知り(?)になっといて良かったけれど。
反対に、リーチャーと顔見知りになったばかりに不幸な目に合った少女、
サンディはまったく可哀相だったけども…。
宣伝されているような内容とはけっこうかけ離れているので、
ワリと地味目に楽しめる作品。これがシリーズ化されるかは謎ですが。
(エマーソン刑事役のD・オイェロウォ?の正しい発音を誰か教えて^^;)