「難解だから何度も見れる」プロメテウス R41さんの映画レビュー(感想・評価)
難解だから何度も見れる
エイリアン
気になる情報が入ったので再度見た。
この作品に描かれているのが人類の起源だ。
我々のDNAとチンパンジーのそれだが、98.8%が一致することはよく知られているが、この作品ではエンジニアと人間のDNAは完全に一致する。
ここでも登場するのが「極秘」任務だ。
初代エイリアンでもクルーの命よりも人類が初めて出会う有機生命体を持ち帰ることが最優先課題だった。
巨大財閥の長老の目論見は、「病気を治してもらう」と言っていたが、実際には若返り、または不老不死だろうか。
それこそが極秘であり彼の最優先事項だった。
ところが目覚めたエンジニアはすぐにアンドロイドを見抜くと首を引っこ抜き、その他を力任せに叩きつけて殺した。
彼らの言葉を駆使したデイビッドに何ひとつ答えることもなかった。
初めて見た当時から疑問だったこのシーン。
何故エンジニアは暴力を振るったのだろう?
どうやらアンドロイドのデイビッドはそれを知っていたのではないかと思われる。
そしてこの部分に原案から削除された内容がある。
エリザベスが首からかけていた十字架のネックレス
このシーンがいくつか登場する。
そして彼女はエンジニアの攻撃から逃れる。
さて、
エンジニアが地球に向かおうとした理由は達成すべき使命を持っていたからであり、その時にエイリアンと出会ってしまったのだろうか?
そもそもエイリアンそのものが大きな疑問だ。
それとも、エイリアンとは地球を滅ぼすための兵器なのだろうか?
ホログラムには逃げ惑う彼らの姿があった。
エイリアンは誰かが持ち込んだのか、それとも兵器の事故が起きたのだろうか?
いずれにせよエンジニアの一人だけが生き残ったことになる。
最後にエリザベスはデイビッドとあの宇宙船でエンジニアたちの惑星へと向かった。
その行動もまたぶっ飛んではいるが、同時にそのことがデイビッドの思惑をまったく別の選択肢へと向かわせたのかもしれない。
彼はベスが地球ではなくそこへ行くと言った時、困惑した。
その前に長老という絶対者の死で、自由という概念を持っていた。
その時それは単に言葉遊びだったのだろう。
しかし、地球を離れてしまうということで、彼を縛るものはなくなったことになる。
これこそ彼を目覚めさせる原因だったのではないだろうか?
次回作でそれが明確になるが、
彼に芽生えたのが「創造主」となること。
そして「完全無欠な有機生命体」を作る想いが生まれたのだろう。
また製作者は、
過去人類の文明が消えた理由は、それぞれの文明崩壊と同様の理由として設定したのかもしれない。
史実上わかっていないが、どの文明にもイエスのような人物が現れ、人はそのたびに彼を殺し続けたのかもしれない。
つまり地球の文明もろとも崩壊させる理由は、エンジニアが派遣した「イエス・キリスト」を人類が殺したからだ。
これは原案にあって削除された事実だ。
だからエリザベスと十字架が関係する。
しかしそれでもエンジニアたちは根気よく同じことを続けたのだろうか?
このように考えると、じゃあエイリアンとは何? という疑問が出る。
初代エイリアンとこの作中のそれとは少し違うが、それはデイビッドによっていじられたからだろう。
実際、コヴェナントではデイビッドがエンジニアの技術を使って新たな種類のエイリアンを作り出しているが、その起源は不明のままだ。
エイリアンはいったいどこからやってきたのだろう?
初代エイリアンの惑星はエンジニアの惑星とは違うが、同じ宇宙船が登場する。
プロメテウスが言った惑星も初代とは違うが同じ宇宙船がある。
こうなれば、ますますエイリアン製作チームが、出し惜しみしているような気になってしまうが…。
ただ一つ、
デイビッドの情報とエリザベスの一言で船長らクルーが宇宙船に神風アタックしたが、あんな判断は日本人でもできないだろう。
そこだけはちょっとやっちゃた感が残ってしまった。