「返して欲しければドラッグをよこせ!」グッド・ドクター 禁断のカルテ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
返して欲しければドラッグをよこせ!
腎盂腎炎と診断されたダイアン・ニクソン(キーオ)も少なからず好意を持ってくれた。父親はマーティンをディナーに誘い、彼は快く参加する。彼女には恋人リッチもいたのだが、もっと患者として接していたかったのだ。そしてトイレでダイアンの薬瓶を見たとき、おぞましい考えがよぎる。そして、後日プレゼントを渡したいと再びニクソン家に行って、薬瓶のカプセルの中味を砂糖にすり替えてしまったのだ。思惑通り、ダイアンは新たな感染症に罹り、再入院・・・
医師と患者の関係ではあるが、まるで『トーク・トゥ・ハー』のように特別な愛に変貌し、もっと入院させたいがために点滴の中味を夜中にすり替えたりするマーティン。もう医者の倫理を逸脱しまくり(笑)。ちょっとだけ入院を長引かせるためなら可愛いものだったが・・・彼女はかなり珍しい症例である感染症にかかり、やがて死亡。ガーン。
話はそこで終わらない。彼女が細かにつけていた日記、それはマーティンの言葉を忠実に記してあったのだが、それを理学療法士のジミー(マイケル・ペーニャ)が見つけ、それでマーティンを脅迫する。
何が書かれているかも知らないマーティンはその日記に怯え、ジミー殺害を思いつく。クスリを加工し、青酸カリを混ぜたのだ。刑事がやってきて簡単な質問。さらに自宅へもやってきたクラウス刑事(シモンズ)。ジミーとは挨拶をする程度の仲だと言ってたのに、備品室で患者と関係を持とうとしたことで彼を軽蔑していたマーティン。たしかに薬漬けの不真面目職員は要らない!けど、殺人だぞ!と、バレるかと思ってたのに、あっさり引き下がったクラウス。そして、日常の医療活動を描いて終わり・・・完全犯罪かよ!!まぁ、医者の怖さを描くには未解決としたほうがメッセージ色が強いが、なんだかすっきりしない映画だ。タイトルの通り、皮肉としか思えないのだから、もうちょっとブルームを悪人にしてほしかったなぁ。
マイケル・ペーニャもまぁまぁ良かったが、最初は悪看護師、徐々にいい人に思えてくるテレサを演じたタラジ・P・ヘンソンが良かったな。