劇場公開日 2012年3月16日

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「メリル・ストリープのサッチャーは、必見。」マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メリル・ストリープのサッチャーは、必見。

2012年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『鉄の女』の異名をとった、第71代英国首相マーガレット・サッチャーを映画いた作品。本作品では、2012年アカデミー賞においてメリル・ストリープが主演女優賞を受賞した他、メイクアップ賞も受賞しています。

サッチャーの半生を描いているのは間違いないんですが、過去から歴史を辿ると言う形式ではなく、認知症を患っていると言われる現在において過去を振り返っているサッチャーと言う形の描き方をしています。若干、予想と違っていました。でも、そういう意味では、今のサッチャー像がどの位実際の姿に近いのかが不明ではありますが、認知症と伝えられている今のサッチャー像を垣間見ることが出来て、非常に興味深い内容になっています。良いです。

2012年のアカデミー賞でメイクアップ賞を受賞していますが、それも納得です。いやぁ、メリル・ストリープがマーガレット・サッチャーになっていますよ。加えて、メリル・ストリープはアメリカ人なのですが、少なくとも私が聞く限りは、ちゃんとイギリス英語で演じていました。「そうそう、そう言う感じだったよね。」と思うほど、ちゃんとサッチャーになっています。

その他、イギリス政治史上の人物が数々出てきます。すぐ分かったのは、ジョン・メージャー元首相ですかね。特徴的なメガネなので、多分、あの人がそうだと思います。それ以外にも、フォークランド紛争の件では、当時のアメリカの国務長官のアレクサンダー・ヘイグが登場するシーンがあるんですが、パッと見似た感じの人物を配しています。もっと言うと、最後に、レーガン元大統領とダンスをするシーンがあるんですが、レーガン元大統領もそっくりさん?を配していました。

その、フォークランド紛争のシーンですが、『首相の決断』を垣間見るシーンがあります。“Sink it”と言うセリフです。たった二言ですが、重いです。

この作品を見ると、サッチャーが、旦那さんのデニスを愛していたというのがわかりますね。認知症の症状と言う設定で、亡くなったはずのデニスと常に会話しているんですが、それが、夫を思う妻という感じなんですよね。なんか、最後のシーンは、なんか泣かせます。

勝手な評論家