外事警察 その男に騙されるなのレビュー・感想・評価
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そのバストサイズに騙されるな
官房機密費と言えば、菅義偉前総理が官房長官時代に80数億円という不明瞭な大金を支出させていたことも記憶に新しい。この作品の中でも領収書の不要な金を協力者にポンと渡しているところを見ると、金の一部はこういう具合に使われていたのだろうと推察できる。まぁ、本当の使い道を知っているのは官房長官ただ一人・・・そして内閣情報調査室の限られた人間ということだろう。ただ、パンケーキもその一部。 「国益」という言葉は頻繁に使われているものの、「平和」という言葉はほとんど聞かれない。結局は外交における日本の立場を守るためだけに動く外事課。良心という面は尾野真千子に集約されていて、最後にコメントする官房長官役の余貴美子くらい。とにかく協力者にするためには手段を選ばず、精神的に懐柔する住本。借金があると人間って弱いんだなぁ。 序盤からもう人間関係の難しく思えるが、結局は一番スッキリする形が見えてくる。韓国、北朝鮮、日本という祖国を守りたいがために行動するNIS、工作員、外事課、みんなスパイ!国同士の思惑が表に出ないだけに恐ろしい世界だ。 それにしても核爆弾を中心とするテロ対策としてこれでいいのかと問題提起するのはよくわかるが、普通の刑事ドラマの枠を超えてないところが痛い。俳優の演技だけ見ればとてもいい作品なのだが、正秀(イム・ヒョンジュン)の愛情面とかも描かれれば良かったかな。普段なら警察側の役が多い真木よう子も良かった。胸の大きさも気になったけど。とにかくTVドラマ向けだなぁ・・・
尾野真千子、、出演作品。警視庁公安部外事課を主舞台に国際テロリズム...
尾野真千子、、出演作品。警視庁公安部外事課を主舞台に国際テロリズムとの戦いをリアルに描き、2009年にNHKで放送されて人気を博したサスペンスドラマを映画化。
リアルさがいい
リアルなストーリー描写がいい。北の陰謀と対峙する日本公安警察 相手の怒りを利用し相手をコントロールする、これは現実に使われてる心理方法の一つだ。まあ流石に最後の韓国で銃撃戦するシーンは大げさだが邦画にしては静かだが緊迫感あるいいサスペンスだ。
録音が悪い
出演者、特に主役の方の台詞の言葉が聞き取りに くくて、かなりイライラさせられました。 渡部篤郎さんの滑舌が多少悪いせいも あるのかもしれませんが、ぼそぼそっとした 話し方をするシーンが多く、何を言っているのか 正確に聞き取れず、何度もDVDを戻して 聞き直さねばならないシーンが多かった。 もちろん、私は日本人だし、他の映画では こんな経験はほとんどないです。 ストーリーは、途中くらいから、様々な 嘘や駆け引きばかりが目立つようになるため、 ラストシーンのオチ?もかなり前から 予測できてしまい、驚きや感動はあまり なかったです。 でも、嘘のつきあいでの駆け引きで 楽しませるのであれば、そちらの本家?の ライアーゲームの方が数段面白いだけでなく、 痛快だったかもです。 また、外事や公安については、実務家というよりも 素人のイメージに忠実に描かれていて、 分かりやすい反面リアリティがほとんど 感じられませんでした。 つまらない映画とまでは思えなかったですが、 やはり、もうちょっと音声をしっかりして くれるか、字幕機能を付けて欲しかった。
おもしろかった。かなりの傑作だと思います。ドラマ版は見ていなくても大丈夫です。
「外事警察」のドラマ版はたしか「ハゲタカ」のすぐ後にNHKで放送したと思う。 「ハゲタカ」の映画版はダメだったけれど、ドラマ版は超傑作ですごくおもしろかった。 そのため「外事警察」のドラマ版も期待して見たのだけれど、残念ながらあまりおもしろくなかった。 「24」みたいなものを想像していたのだけれど、実際の内容は、石田ゆり子さんをだまして、追い込んで、利用するみたいなストーリーだった。 それに中東のテロリストなんて日本にいるのか?みたいなところもあった。 今回の「外事警察」映画版は石田ゆり子さん→真木よう子さんになっていて、基本は同じなのだけれど、敵が北朝鮮(映画ではなぜか「あの国」)の核テロリストというのがよかった。 韓国の諜報機関も巻き込んで、韓国ロケもあるし、多少のアクションシーンもあり、なかなか映像もよかった。 一番よかったのは犯人の動機です。 普通邦画だと、この部分はいつもないがしろにされていて、そんな人いないだろうという感じで、共感できないことが多いのだけれど、この映画はちゃんと犯人の動機に共感できて、感動した。 テーマ曲はドラマ版と同じでしたが、内容的にはドラマ版を使ったネタはほぼないので、ドラマ版は見ていなくても大丈夫です。
その男、危険につき
NHKドラマの劇場版。 警視庁公安部外事課。 国際テロを未然に防ぐ、言わば日本版CIA。 日本にこんな組織が存在する事に驚き。 しかし、その実態は人知れず暗躍し、時には民間人をも利用する。 腰低く丁寧に接し、言葉巧みに心の隙間と弱みに付け入る。 手段を選ばない狡猾で非情なやり方にヒヤリとする。 震災直後の日本に朝鮮からウランが流出したとの情報が。 “公安の魔物”住本が動き出す…。 朝鮮情勢、核、テロ、震災…タブーに堂々と挑んだストーリーがリアリティたっぷり。 外事警察、韓国諜報部NIS、朝鮮テロリスト…それぞれの思惑が交錯し、緊張感たっぷり。 在日二世科学者の故国と死んでいった仲間への思い、家族への罪悪感、外事警察に利用される民間女性の苦悩と娘を思う強い母の姿…重厚なドラマも見応えたっぷり。 一筋縄ではいかない住本は渡部篤郎のハマり役。 真木よう子の熱演と田中ミンの存在感は秀逸。 日本でもこんなに骨太なポリティカル・サスペンスが作れる事に感激。 国の為?国益の為?正義の為?己の為? 単純に勧善懲悪で割り切れない物語に目が離せない。 その男に最後まで騙されるな。
ドラマを見なくても楽しめます
核爆弾テロの危機に陥った日本と韓国を舞台に外事警察の活躍を描いた作品で、駆け引きは見応えたっぷり!ですが、相変わらず画面もストーリーも暗い!見終わった時に若干の疲労が・・・(´ρ`) ドラマの続編なので、ドラマを見てからの方が楽しめますが、一緒に行った母は見なくても楽しめたようです。
どの会話も信用ならない、のか?
なんか邦画じゃないみたい、観終わった最初の感想です。 ドラマは未見、ファンのお供で観たけど面白かった、見応え充分でした。 どいつもこいつも思惑含み。局面での勝ち負けはあるものの、ヘタを打つ素人なんかいない凌ぎ合いは目が離せませんでした。 否応なく巻き込まれていく民間人女性・果織の描き方が生々しく、サスペンス感が凄かった。 急展開の後半、彼女を追っていく臨場感が薄くなったのは少し残念でした。 重厚な、分厚いキャスティングは流石、韓国の俳優陣も良かったです。渡部篤郎と真木よう子、凄いです。
ラストはえぇぇぇ~!!と驚く
ネタバレしちゃうと台無しになる作品なので内容のコメントは一切控えるけど、期待以上にすごく良かった。観に行こうと思った人にダメージとなるために何も語れない内容なんで、もどかしいけど、続編期待!って映画。 邦画では同じ脚本家の「探偵はBarにいる」以来の名作。脚本家がAllways三丁目の夕日シリーズと同じってのがやっぱりツボを心得てる。渡部篤朗、真木よう子のドンピシャはまり役演技に感服したのと骨太役者を揃えたのもほんとに良かった。観に行く人のために抽象的なコメントしか打てないけどほんと面白かった!!
渡部篤郎かっこいい
『ケイゾク』や『愛なんていらねえよ、夏』の頃の渡部篤郎はそれこそ松田勇作を超えるくらいの域を感じさせるほどかっこよかったのだが、RIKAKOと離婚した辺りから急激に活躍しなくなってとても残念に思っていた。しかしこの映画では久しぶりに怪演ぶりのかっこいい渡部篤郎が見られた。 しかし物語が非常に入り組んでいて、なんとも釈然としない構成で、無理やり複雑にしているような印象すらあった。それにウランって素手で触っていいのか? 原爆を止めるコードもとてもつまらなかった。全体的な頑張りは感じたが、サスペンスのためのサスペンスにとどまっているように思った。渡部篤郎の非情さは面白かったのだが、感情移入するまでにいたらなかった。 そもそもテレビドラマを見ていないため理解できない部分もあることかと思うのだが、映画館で掛かる以上それはこっちの問題ではないと強く主張したい。
田中泯 いいね
テレビドラマの映画化ということで期待してなかった。もちろん、テレビは観てない。でも、さすが人材の宝庫NHK、予想外によかった。主役は真木よう子と田中泯。脇が渡部とコリアン。他は役に充てたということ。監督のインタビューで真木と仕事がしたかったと聞いた。監督に愛された女優は幸せだ。とっても魅力的に撮られている。ドキュメンタリータッチの映像、セリフの長~い間、監督の特徴はでていた。でも、ファーストシーンはあれでよかったのか疑問。これがラストにつながるんですと言われてもねぇ。じゃ、何がいいのかは分からないが、あれをすべてカットしてよかったと思う。つかみは大切。つかみを意識しすぎると逃げる。つかみを意識しないと逃がす。バランスが大切。
惜しい和製ノワール
期待通りの和製フィルムノワール。キャスティングにも隙がありません。ただ…やはり惜しいことにテレビドラマ感が否めなかったのは僕だけでしょうか?毎度のことながら、真木さん惚れ直しました(笑)。
事実を交えたよくできた娯楽作
TVドラマの映画化ということですがドラマのほうはまったく知らず、ただ予告が面白そうという理由で劇場で鑑賞。 しかしドラマを知らない方でも問題ないつくりになっています。特にドラマ未見者でもに主人公の非情っぷりがよく伝わります。彼の外道な行為を見ていて「そんなことまでするのか!?なんて人でなしなんだ!」と心の中で思ってました。しかしこれが実在する組織だというのだから驚きです。またこの裏世界の脅威が日本にあると思うと恐ろしい話ばかり、治安が良く平和な国と言われてる日本ですが本当はそうではないのかもしれないと思いました。でもこの話に多少疑う自分がいると思うと・・・平和ボケなのかな?(汗) 作風もグッドでダークでシリアスな雰囲気と共に出てくる緊張感はすごく、それに合った味のある役者さんも勢ぞろいでよかったです。ただ余貴美子さんだけ異様に浮いてた気がするのですが出番も少ないのでまあ良しとします。 全体的には大満足の出来で、日本版CIAこと外事警察の実態を交えつつ映画としての面白さがあって個人的には非常によくできた娯楽作品だなと思いました。
猛毒を以て猛毒を制す
ドラマ版は未見なのだが、骨太なサスペンスを期待させる予告編に惹かれて鑑賞。 いやー、期待を裏切らない見事なサスペンス大作でしたよ! フィクションとノンフィクションのキワキワをゆく設定、 緊迫感溢れる映像、三転四転する物語展開…… こんなキレのあるサスペンス、邦画じゃ滅多にお目にかかれない。 何より魅力的なのが、なかなか本性を現さない登場人物たちだ。 まずは渡部篤郎演じる主人公! 優男に見えて実はヤクザも裸足で逃げ出すほど狡猾な超危険人物。 ロロ・トマシさんのゲス野郎発言連発も納得のクズっぷりに戦慄(笑)。 国家の目論見に翻弄される一市民、真木よう子も良い。 ギラつくような怒りと娘への愛情が混在する眼差しが素晴らしかった。 その他、尾野真千子も石橋凌もエンケンも 安民鉄(役者名知らない)も田中ミン(変換できない)も 誰も彼も腹に一物抱えてて少しも油断なりません。 狸と狐がわんさか群れて騙し合いの化かし合いでしてよ。 そこらじゅうにチミモウリョウがバッコしておりましてよ。 石橋凌とNIS長官の最後の会話なんて……なんかもう、思考のスケールおかしいよ、あんたら……。 一方、ある意味最も分かり易いキャラが余貴美子演じる官房長官。 彼女のことなかれ主義っぷりは皮肉が利いてて笑えた。 まさに『対岸の火事』な対応だったが、核攻撃なんて事態が本当に起こったら 対岸だろうが地球の裏側だろうがタダじゃ済まないと思うけどね。 核の恐怖を誰よりも知るはずの我が国が、 新たな核の恐怖を生み出す温床になり兼ねないという恐るべき事実。 あの非核三原則だってとうの昔に反故にされてたくらいだから、 この物語が単なる作り話だと誰に断言できるのか……。 残念だったのは終盤。 展開がやや大味になってしまったし(のんびり会話してる場合じゃないよッ)、 ちょっとセンチメンタリズムに走り過ぎてしまった感があるかな。 別にセンチな話が嫌いな訳じゃないのだけど、 それまでの物語の空気には少々そぐわなかったというか。 だがそれを越えてのラスト30秒は、久々に背筋にゾゾッとくるサプライズだった。 確かに終盤の展開には何か違和感を感じてたが…… まさかそんな! そこまでやるかアンタ!? こ、こ、公安って怖ええぇぇ〜!! 邦画規格外の出来にして、しかし日本でしか作れない、腹にズシンとくる社会派エンタメ大作! オススメです!! <2012/6/3鑑賞>
本当の怖さとは、本作の住本のような不気味な愛想笑いにあると感じました
何という全編を覆う緊迫感なのでしょうか。内面を読み取れない主人公住本の不敵なキャラクター。加えて、浪花節に泣けてくる登場人物が抱えた親子の葛藤が見せるエモーショナルな感情表現。さらに裏の裏を取り合い2転3転していくストーリー。それらが相まって、パーフェクトなサスペンスに仕上がりました。2時間を濃密に楽しませてくれます。実際に中国大使館書記官のスパイ疑惑が発覚したから余計に強く感じました。 本作は、国際テロ防止を任務とする、外事警察の活躍を描いたテレビドラマの映画版。朝鮮半島からウランが、日本では起爆装置の技術が盗まれるところからドラマの幕が切って落とされます。 日本に核テロの危機が迫っていると認識した当局は、ひとりの閉職に追いやっていた男を捜査の現場に復帰させました。その男とは“公安の鬼”と恐れられた住本(渡部篤郎)。住本は、任務のためなら犠牲も脱法も、どんな手段も厭わず、一般人さえ利用してしまう警察官としてはあるまじき危険人物だったのです。 でも住本は、強面の公安捜査官の地顔を絶対に表面には見せません。まるでホテルマンのように、満面の笑みをたたえ、腰を低くしながら、穏やかマルタイとなる工作対象者を揺すり、脅し、買収しようとするのでした。 ニコッと笑って、自分のいいなりにマルタイを落とし込んでいく方が、何を考えているのか、どんな手を繰り出してくるのか分からないぶん、強面よりもよほど恐ろしいのだとつくづく感じました。 住本は、朝鮮半島での核開発の全貌を知る技術者で、行方不明になっていた徐の行方を突き止めます。彼は日本で原子力技術の最先端を学んだ在日二世の科学者。テロリストたちの手に落ちれば核爆弾が容易になっていたところでした。 徐を連れ戻す工作活動の描写は、外事警察がどんな任務を帯び、どんな捜査活動を行っているのか丹念に描かれます。その中で内閣機密費が湯水の如く使われているのには驚きました。なかなか帰国したがらない徐に、住本は生き別れとなった娘との再会を切り出します。何の根拠もなくハッタリで娘との再会を約束してしまうところが住本の真骨頂でしょう。 ところで、北朝鮮から核爆弾の燃料が元軍人によって持ち出されて、テロリストに売り飛ばして大金獲得を目指すという話は、現在の北朝鮮の経済事情から考えると充分にあり得る話です。日本にとって、北朝鮮が核弾頭を完成させることばかりがクライシスではなかったのです。北朝鮮からの核攻撃の危機だと、スケールが大きすぎて、住本が対峙するには骨董無形になったことでしょう。事件のスケールが、ちょうど外事警察のマターにぴったりの設定なのがしっくりきます。 それでも本作は、国家レベルのたくらみが、個人の日常生活と背中合せに進行していることをリアルに浮き彫りにしていきます。そのなかで関わる住本や韓国のスパイですら、国益を振りかざす自国の官僚の余りの独善ぶりに、自らの内なる良心としての正義感との狭間で揺れるのです。個人の尊厳と官僚たちのいう国益とが相克した場合どちらが大切なのか。国家レベルの問題と個人レベルの問題が不可分に繋がっている重層性が本作の魅力だと感じました。 一方住本の部下たちは、奪われた起爆装置の技術の行方を追ってとある韓国系の貿易会社を張り込んでいました。そこで住本は韓国人の社長夫人果織に目をつけて、夫が北の工作員だった過去を突き付け、協力者に仕立て上げようとします。その手口、落し方は実にリアル。“鬼の公安”と呼ばれた男の真骨頂を見せ付けられました。 果織が抱える過去の全てを暴き出し、多額の借金の救済から、果てはかつて娘を置き去りにしたことや、娘の対するトラウマの元にある自らもかつて親に捨てられて孤児になったことまで持ち出し、心理的な葛藤で揺すぶりをかけることでつけ込もうとするのです。 女性の部下の松沢は、余りの住本の仕打ちに、反発します。しかし住本は涼しい顔で、こう言い放つのです。「怒りの感情こそ利用して、相手をコントロールしろ」と。常識では考えられない発想でも、住本が語ると凄く説得力を感じました。 とにかく葛藤をえぐり出させる果織の感情の爆発。対峙する住本は果織の怒りを夫に向けさせよう巧みに誘導質問に乗せていくポーカーフェイスぶり。本作の核心に迫るふたりが感情が激しくぶつかり会うシーンは、本作の中でも必見の名場面でした。 ドラマの展開はこの果織と徐が親子関係にあるかのように接点となるエピソードを加えていきます。終盤には住本がふたりの関係の遺伝子鑑定書を用意して、徐に見せ付けます。果たしてこれは住本が仕掛けたトリックなのか?その真実は駆け足で明かされ、危うく見すごしそうになるのでご注目を。 ラストでは、舞台は韓国に変わり、日本政府の日和見によって、住本は公安の身分を再び免職されて単身渡韓することに。国益のために闘ってきたはずの住本を突き動かすものとは何か、そしてそんな住本に、自国の方針に逆らってまで協力する韓国の諜報機関員の思い(それまで散々住本の捜査の妨害ばかりしてきたというのに)も加わり、国益とは何か考えさせられる展開でした。そしてヤマ場となるテロリスト一味との全面対決に。派手なアクションが炸裂するばかりではありません。 そこには、テログループと韓国情報機関NISと組織から離れた住本のみすくみの対決と二転三転する真相に画面に釘付けとなりました。もう一気に張り巡らされた伏線が収斂されていくのです。 クライマックスの徐が核爆弾をなぜ仕掛けたのか、そしてそれをどう止めるか大満足の結果でした。 本作では、果織役の真木よう子、平和ボケ発言を繰り返す内閣官房長官役の余貴美子、そして住本の部下の松沢を演じる尾野真千子らがそれぞれ感情を顕わにする力演を魅せています。でも何と言っても凄いのは、住本役の渡部篤郎でしょう。気は早いけれど、日本アカデミー賞主演男優賞ノミネートは確実なほどの、怪演なのです。 家族にさえ仕事の内容を明かさない深い孤独を抱えつつ、さらには身内も平気で騙す冷徹さも持ち合わせながら、表の顔はあくまでニコニコとした仏面なんですね。それでいてぞっとさせる圧倒的存在感を作り上げていました。 またカメラも登場人物に密着するかのような撮り方で、リアルティを感じさせてくれました。彩度を落とした色調も緊迫感を高めるために効果的だったと思います。 日本では珍しいスパイアクション。。「日本にはスパイ罪がないからなあ」と嘆いた検察幹部がいたそうです。取材に基づく原作が描く実態に、ぜひ危機感を感じて欲しい作品です。そして、こういう外事警察が機能しなければ、いつ何時日本が核テロや、核戦争の標的に晒されかねないという現実に触れていただき、一日でも早く憲法九条の改正に立ちあがっていただきたいと思います。
公安のゲス野郎、復活!!!!!
うおー待ってました外事警察! TVシリーズじゃ主人公住本が刺されるという衝撃のラストで幕を閉じちゃって、おいおいそんな突然の思わせ振りな最期あるかよ!と憤慨しつつ内心は彼の復活を信じておりました。 そして案の定というか、まあね、しっかり生きてたというw 前回で警察を辞したけど映画版じゃまた呼び戻されちゃうっていうwそんなこと可能なのかよ? ま兎にも角にも“公安の魔物”のご帰還です!!!! つかTVのラストで刺されて今回も刺されるってかなりヘビーな環境ですねぇwでもこの住本って男、刺されるに値するほどのゲス野郎ではあるんですけどもw TVん時から相当にゲスかったんですけどまあ今回もゲッスいです。 このシリーズの醍醐味の一つに『協力者の獲得』が挙げられると思うんですけど、普通の民間人を外事警察のスパイに仕立て上げるって作業ですね。 今回目を付けられた真木よう子演じる果織を協力者に仕立てるシーンもなかなかにスリリングで白熱。手練手管で有効的に罵って相手を落とす住本のゲスさ炸裂。 住本のお目付け役?の松沢陽菜からも「私、あんなゲスにもう騙されない!」という気負いを感じましたが今回も最後まできっちり騙されてるっていうw んでもうラストは鳥肌立っちゃいましたね。 多分そうなんじゃないかなー?と粗方予測はしてたんだけど、実際そうだったんで期待通りというかw期待通りにゲスかったんでね! 作品的には重厚でノワール感漂うというか人によってはただただ重苦しく感じるかもしれないし、エンタメとしては賛否あるのかなーとも感じますが、自分は渡部篤郎扮する住本健司という男を観る為の『外事警察』だと思っているので、今回も非常に満足でした。 またあの手この手の新手なゲスさに期待を込めつつ続編期待しています!
一級のノワール、納得の128分
お気に入りだったNHKドラマの映画化。公開初日に鑑賞。 映画ならではのスケールで韓国ロケも。 北のテロリストと韓国国家情報院、内閣情報調査室、警察庁警備局の駆け引きの中、「国益」のために「協力者を運営」する冷徹非情な警視庁公安部外事第4課主任を渡部篤郎がテレビ版同様怪演。 練られた脚本で最後まで真相は掴めない。本当は誰が騙されているのか。 スピード感溢れる一級のノワール、納得の128分。
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