「ドラマ制作の手口。」外事警察 その男に騙されるな ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ制作の手口。
NHKのドラマ版は、ほとんど見ていなかった(初回と少し、くらい)
その時は画面に釘付けになるほどの面白さを感じず、
何か暗くて嫌なドラマだなぁ~くらいにしか思えなかった。
が…よく見ておけばよかった^^;
けっして下らない内容ではなかったのだ。恐ろしい内容だけど(汗)
そもそもこんな組織が実在し、国益のためには手段を選ばないという
のだから、一般人はいつ騙されるか?分かったもんじゃないのだ。
国際テロを未然に防ぐためには、確かに手段を選んでもいられない
のだろうが、何も知らない(関わりはあるにせよ)一般人を選んでまず、
相手の弱みを握り、恩に着せ、世話をかって出て飼い慣らした挙句、
恫喝に近い手口で真相を明かし、スパイに仕立ててしまうその手口。
さすが自白を強要する警察ってだけあるな~。なんて感心するものの、
その相手は犯人ではない。それなのに、ものすごいことをさせるのだ。
ウソのようなホントの話。に引き込まれた視聴者は、結局、
その事件が終結するまで付き合わされてしまう…これもほぼ恫喝^^;
ドラマ制作の手口としてもさすがだが(爆)
映画版は、そのドラマをまったく見ずしても面白い出来映えだった。
どうしてこんな役をやらせるとこうもハマるんだろう的な渡部篤郎、
容疑者の妻、真木よう子もハマり役、田中泯はただいるだけで怖い。
冒頭からどう展開するんだろう、というハラハラ感が絶え間なく続き、
うっ!怖い!うわっ…やられた!なんていう叫びが自分の中で連続、
最後の最後まで目が離せない作りだった。
後半、ラスト近くだけが、かなりNHKっぽい?情ドラマと化したが、
そこまでは緊張感もあるし、あり得ない話でないところがさらに怖い。
とにかくテーマが「国益を守る」に尽きるため、
義理だの人情だの、そんなもんハナっからねぇよ!という気構えで
観ていくと、意外な部分で感動できる。そしてそれが果たして?と
いう謎さえが残っても、とりあえず終わらせ方がお見事なのである。
渡部篤郎って(よくモノマネされるみたいだけど)
ホントに掴みどころのない感情の見せ方が巧いので、化けの皮役者
として大成する勢いがある。マジで闇にスカウトされるんじゃないか^^;
決して楽しい内容ではないが、観応え十二分!お薦め。
(韓国俳優も素晴らしい。受信料と鑑賞費、両方払う価値アリ作品!?)