「楽しんだモノ勝ち、ということで。」最強のふたり Yumiko Moriさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しんだモノ勝ち、ということで。
行きつけの整体で、定期的に全身の歪みを矯正してもらっているのだけれど、マッサージがあまりに痛い時はなぜかゲラゲラ笑ってしまう。整体師さん曰く、そういう人は多いんだそうだ。耐え難い苦痛を前にすると人間は笑うらしい。その苦痛を和らげんとして本能が必死で緩和に向かうようだ。
首から下が完全に麻痺した富豪と、複雑な家庭環境と貧困で社会的に行き場のない青年。耐え難い状況の2人が出会って共に行動していくうちに、それぞれに変化と再生がもたらされる。
いちいち感動を盛って来たりしない演出が好きです。のっけから「キックアス」的な悪さが効いてて、2人が共にいることを楽しんでいることが伝わってくる。ドリス(青年の方)が誰に対しても直球で自分を出すので、ここまで主張が直球の子おるかなぁと思ったけれど、フランスの話ならあるかな、と思い直し。でもドリスは表情がとてもいいです。黙って見ている時とか、ニッと笑ってみせる時とか。
人間の闇部分モノが好きなんですが、これは素直に日に当たるように見る一本。好きです。
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