「カ―タンの映画レビュー」最強のふたり カ―タンさんの映画レビュー(感想・評価)
カ―タンの映画レビュー
人間は一人じゃ生きていけない。
例え、健常者だろうが障害者だろうが、それに変わりはない。
大富豪でありながら、事故により首から下がマヒしてしまったフィリップ(フランソワ・クリュゼ)と、貧乏な黒人青年のドリス(オマール・シ―)との友情を描いた『最強のふたり』を観ると、余計にそう感じる。
実話を元にした障害者が主人公の映画を俺は好きじゃない。
大体が観客の涙を誘おうとする志しの低い映画ばかりだからだ(特に邦画に多い)。
しかし、本作は、そんな安易なお涙頂戴映画じゃなかった
まず、何より、オマール・シ―が好演するドリスが良い。
ドリスは車椅子生活のフィリップに対して遠慮しない。
腫れ物に触るような介護しかしなかった前の介護人たちと違い、ドリスは思った事を口にし、呼吸に苦しむフィリップを外に連れ出したりする。
とは言え、ドリスはデリカシ―がない人間ではない。
根無し草のような生活を送っていながらも、心は団地に暮らす養母や沢山の弟や妹たちを心配しているのだ。
一方、大金持ちであるフィリップは、最愛の妻を病気で亡くし、自身も事故により、半身不随になっている。
大金持ちゆえにワガママを言って、次々に新しい介護人をクビにしたりしている。
つまり、二人は他人に弱みを見せない反面、世間に対して疎外感を感じており、自分の居場所や、自分を必要としてくれる人を求めている。
だからこそ、ドリスとフィリップは人生の楽しさや切なさを共有出来たんだと思う。
そして、そんなベタつかない二人の絆に観客も素直に感情移入出来るんだろう
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