「人生が素晴らしいんじゃない。ふたりの関係性が素晴らしいんだ。」最強のふたり ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
人生が素晴らしいんじゃない。ふたりの関係性が素晴らしいんだ。
自分、この手の映画って観賞前はちょっと身構えちゃうタイプです。
つか、評判聞かなきゃまず観ませんね。
だってねぇ。どうしたってねぇ。テーマ的に重くなりがちでしょ?
「車椅子の男性と介護人の友情」てトコからしてもう。
苦悩と絶望を滲ませながら物語は最後熱い涙を誘う、みたいな。それか真逆で本当絶望のうちに終わっちゃう、みたいな。
ま自分的最大公約数な考え方ですが。
んで、この『最強のふたり』ですね。
スラム育ちの介護人ドリスと、元健常者で車椅子の大富豪フィリップが主役という。
この映画は一体どうなのか?って話ですが。
いやぁ~、こりゃ全く裏をかかれました!
イイ!凄くイイです!
何がイイって全く泣かせないのがイイんだな!
『お涙頂戴』じゃないんだもの!
ずっと笑いっぱなし!
介護人ドリス君がもう最高!飽くまで健常者視点でありながら障害者に対して一切の色眼鏡持たないし一切の憐れみを見せない!そんな感覚すら持ち合わせてない!
フィリップが「そのチョコ私にもくれ」と言ったら、それに対するドリス君の返しは「これは健常者用だ!障害者にはあげない!ウケた?冗談だよ!ほら!」てw
これ普通アウトでしょ。
でも全然アウトじゃないんだなあ。そこに差別意識が全然ないから。
タブーをタブーにしてないし、オブラートにすら包まない。
しかも、普通ならドン底なこの現状を笑いに変えてる!
あ~最高!
感動の涙なんていらない!笑っとけ笑っとけ!
うん。
『お涙頂戴』路線になってたらね、それはそれでとてもイイお話になってたと思うし、それはそれでアリでしょう。
ただ、セオリー通りにその路線行ってたら「あ~とてもイイおはなしだった〜」で終わってたと思うんですよ。
そうしない話の運び方が本当に素晴らしかった。
そしてね、これは人生讃歌じゃないです。
生きる素晴らしさを滔々と説くってんじゃくて。
んー何て言えばいいのかな。俺らはこうしてるだけ!こうして楽しんでるだけ!みたいな。
ふたりの讃歌っていうか。
分かりますかねw分からないですよねwwまいっかwww
いやいや、本当ねタイトル通りに、最強のふたりでした。