「カラスの償い。」カラスの親指 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
カラスの償い。
一部主要キャストのナゼ?が、最後にあ、なるほどね~となる作品。
しかし、残念ながら成功しているとは、言い難い。。
阿部ちゃん主演ということで大いに期待した本作、
徹底したコメディ詐欺作品かと思いきや、そうではなかった。
原作を知らないので、この長さで適当なのか分からないけど、長い!
飽きるわけではないが、おそらくはこの長さにする必要性があったと
そう思いながら観続ける観客に…あの結末かい?という感じだった。
どちらかというと詐欺より人情モノに近い。
どの配役も悪党と呼べる体がなく、冒頭の競馬場の行が一番面白い。
あーこのままトントンとテンポよく進めば良かったものを、描きたい
部分は全く別のところにあった感じである。物語自体が悪いわけでは
ないので、どっちに期待をかけるか。で感動の類が変わってくる作品。
私は徹底して詐欺色一辺倒に構えていたため、
ラストの種明かしで(なるほどねと思いつつ)更に人情劇に巻き込まれ、
これカラスの償い作品かよと、実はその直後に観た「ドリームハウス」
の後半20分とよく似た感覚に陥った。つまり、いい話すぎるのである。
全く悪意のない騙しに騙された観客は、感情の持って行き場を失う。
よーし!そうきたかと膝を打つ(はずの)場面を失ってしまうのである。
それが監督の狙いだったなら、ある意味成功なのかと思うが、
一度完了したと思わせて、もう一度ひっくり返す。小気味良い演出が
冴え渡る瞬間のはずが、パズルが嵌るほどスッキリとはしてこない。
それ以前の流れが説明不足に終わっているため(長いのに)え?あれは
どうなったの?何そんな普通でいいわけ?と勘ぐってしまいたくなる。
親指は…の説明じゃ、きっと涙を浮かべてしまう人もいたんじゃないか。
確かに冒頭から親心に関しては心を砕いた脚本と演出だった。
うーん…でも私は、もっと違う方面を期待してしまったんだよな。
村上の演技はハテ…?という位だが、台詞覚えが大変だったそうだ。
あれで出身が仙台、ってところでやっと笑えた^^;
まひろ役の能年玲奈が愛らしくも完璧な演技で姉?をかわしていた。
ポイントは、なんといってもラーメン屋ね(よく見ておきましょう)
タンメンが美味しそうだったなー。
(プロの詐欺師って確かにエ?と思う人が多い。怖い女も増えたよね)