シナイ半島監視団のレビュー・感想・評価

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現在に繋がる歴史

2024年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 現在のガザへの爆撃にも繋がる中東紛争を描いたドキュメンタリーです。

 1973年に勃発したエジプト-イスラエル間の第四次中東戦争を調停すべく、両軍が睨み合う緩衝地帯に派遣されたアメリカの監視団を描いた作品です。ここは戦争の最前線なのですから緊張感が漲っているのですが、それだけにその背景が分からずに「はてな?」が並んでしまいました。

 監視団は恐らくエジプト・イスラエル両国の了解を得て、アメリカの仲裁で送られたのだと思います。彼らは、緩衝地帯を往来する車両を監視・記録するのですが、果たしてどれほどの権限が与えられているのかがよく分かりません。紛争地域なのですが武力は持っておらず、武装闘争になった時には国連軍がカバーするのでしょう。でも、その国連との関係もよく分からず、何だかギクシャクしている様子です。アメリカ人にとってはこの辺は常識なのかなぁ。僕が無関心過ぎたのかなぁ。ただ、娯楽・遊興施設は国連軍より監視団の方が豊富な様です。この辺にも、「アメリカ人の行く所、すべからくアメリカの小都市に」の文化が貫かれています。

 でも、この辺ももう一度勉強だな。

 ちなみに、エジプトとイスラエル間の歴史的和解とされた、カーター米大統領仲介による「キャンプ・デービッド合意」は本作が公開された1978年の事で、ここで、「ガザ地区とヨルダン川西岸でのアラブ人による統治の協議を開始する」とされました。それがこじれにこじれて現在の惨状に至っているのです。

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