劇場公開日 1976年10月

「色んな意味で「古典的」ホラー作品でした」オーメン(1976) 藤宮・アーク・紗希さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 色んな意味で「古典的」ホラー作品でした

2025年11月5日
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鑑賞方法:VOD

怖い

知的

1976年公開のホラー映画『オーメン』は、「悪魔の子」というテーマを真正面から描いた作品として今なお語り継がれる名作です。

外交官ロバートと妻キャサリンの家庭に訪れる“静かな崩壊”は、派手な演出に頼らない分、日常の中に忍び寄る恐怖をよりリアルに感じさせます。
ダミアンという少年の無垢な笑顔の裏に潜む“何か”を、観客は最後まで確信できない──その曖昧さがこの映画の最大の魅力です。

ジェリー・ゴールドスミスの荘厳な音楽、ローマやロンドンを舞台にした重厚な映像美、そして「666」の刻印という象徴。
どの要素も、70年代ホラーの持つ宗教的・終末的な不安を巧みに形にしています。
家族愛、信仰、運命――テーマの深さは今観ても色あせません。

ただ、ひとつ正直に言うと……
あの“あるシーン”での衝撃描写、よく見ると人形が丸出しで、思わずクスッとしてしまいました。
当時の技術の限界とはいえ、今の私たちの目にはちょっと可愛く見えちゃうかもしれません。

藤宮・アーク・紗希