「神山監督版新生009誕生」009 RE:CYBORG aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)
神山監督版新生009誕生
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髪型も変わった高校生の島村ジョーには、もとの009に愛着があるので違和感があった。昔、同じ石ノ森章太郎原作の「幻魔大戦」が大友克洋のキャラデザインで映画化されたことがあったが、それと同じようなものかと思った。学ラン姿の高校生に設定したのは、神山監督いわくモラトリアム的な今の若者たちに重ねたとのことだが、幻魔大戦のオマージュのようにも感じた。
今作は、日本伝統の2Dセルアニメのように見えて、3D対応のフルCGで制作されたという野心作である。マトリックスを彷彿させるところが幾つかあって、海外ではマトリックスのまねとか言われそうだが、加速装置の描写は009の方が先だったのだ。
原作のちょっとレトロな近未来SF的なデザインを、リアルな現代的軍事メカにするとともに、00ナンバーサイボーグたちの敵も原作よりも実際の国際情勢に合わせた産軍複合体となった。それに、原作者でさえ完成できなかった「天使編」「神々との闘い編」のネタも盛り込んで風呂敷を広げすぎではないかと懸念したもののお馴染みの赤い戦闘服姿で、最後に原作最高の見せ場を用意してくるとは、神山監督は原作をリスペクトし、その精神を受け継いでくれていると新生009に納得できた。
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