009 RE:CYBORGのレビュー・感想・評価
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質の高いアニメ
アニメには真実が隠されている、と思う。
一般的には表現できないことをアニメの中に隠すように仕込むことが、最近の日本のアニメ界の流行りなのだろうかと思わされる。
エヴァンゲリオンにもいくつもの謎が隠されているし、ナルトやワンピースにも陰謀論的なミステリアスが忍ばされている。
そしてこの作品は堂々と隠すことなくそれを表現している。
つまりそこが好きだ。
9・11 そこに隠された、隠さずに堂々と行われたアメリカ史上最悪の事件は、その後始末さえ堂々と歪に進められた。ニュース番組でさえ禁止されたこれを包み隠さずに表現したことは誠に素晴らしいと称賛するが、同時に限られた映画館でのみひっそりと上映されたことが、世界は陰謀でみちみちているように思えるのだ。
つまりこれは真実を描いているのだ。
石ノ森章太郎は、この作品シリーズで絶えず問いかけ続けたのが「神」なる存在だ。
特殊能力を与えられた9人の戦士たちが必死になって人類を救おうとするが、どうしてもこれ以上できない問題にぶつかる。
その時彼らは叫ぶのだ「神よ! どうしてあなたは…」
アニメでなければ不可能な世界を表現しているにも関わらず、アニメのキャラが神に向かって叫ぶ姿はいかにも人間的で共感する。
地方の映画館で上映されず、当然TVで放映されることもない。仕方ないのでDVDを購入した。
自爆テロ
27年ぶりにギルモアに呼び出された正義の戦士たち。3年ごとに記憶をリセットされ、有事の際には活躍させられるということを繰り返していたらしい。34回くらいの爆破テロの連鎖という大事件はアメリカの陰謀なんじゃないかと噂されていたが、ついにアメリカ海軍のミサイルを使った爆破事件が東京で起こる。しかし、その寸前、記憶を消されて高校生生活をしていた島村ジョーは“彼”の声を聞き、自らも自爆テロを起こそうとしていたのだった・・・
“彼”の声とは何なのか?自爆テロを起こした者たちはすべてその“彼”によって動かされていたという事実。さらに巨大兵器会社のサミュエル社がアメリカ国防総省の恩恵を受けていたが、仲間から離れていた002=ジェット・リンクが“彼”の存在に気づき、すべてはサミュエル社が仕組んだものじゃないかと疑うようになった。
フランソワーズとジョーとの再会が妙にエロい。いつのまに深い関係になっていたんだ?などと大人向けのアニメに変貌を遂げている作品であり、各キャラもすべて劇画タッチの顔立ちとなっていた。しかし、アメリカの言う“正義”を疑問視するような内容だったのに、ストーリーは全て人間の内なる“神”について言及する。ジェットとジョーの確執とは何だ?もしやフランソワーズと三角関係にあったのか?と思っていると、世界の自由と平和を守ってきたというアメリカ人の自尊心と専守防衛の日本人がリーダーという確執だったようだ・・・なんだそりゃ。
その確執を解消したのはアメリカ空軍がドバイに向けて核攻撃をしてしまった時。すごい内容になっていたが、最後には原潜から世界終焉を迎えるような核ミサイル発射!テレポーテーションによって大気圏外で爆破させようとするジョー。そして助けにきたジェット。もう鉄腕アトム最終回の盛り上がりだ(笑)。
終わった・・・と思っていたら、「神は超えられない試練は与えない」などという宗教的なおとぎ話のような展開。水浸しになった世界で世界を再建するんだね・・・わけわからん。
色々とわからない
サイボーグ009は随分昔に漫画を読んだっけ。
確か天使編が途中で終わってしまったことに憤慨した記憶があるなー。
今回この作品は随分昔に映画化するのを期待してたが、見るのが遅くなってしまった。
天使やら神やら色々と出てきたが、結局それらは何だったのか?
ジョーの想像だけで物語が終わってしまったのがモヤモヤ感がすごい。
あまりにも漠然としてないだろうか?天使の化石ってなんだったのよ?
ピュンマとグレートはどこ行ってたの?ジョージェットはどうやって助かったのか?
この混乱状況でアメリカは何してたのか?で、最後世界はどうなったの?
まだまだ疑問がいっぱいあるけど、せめて天使と神は何なのかと目的くらいは
明確にしてほしかったな〜。
ジョーの加速装置期待してたんだけどなー、表現も活躍の場所もいまいちだった。
009でやる意味は?
公開時、劇場で観たけど意味不明だった。
でっ、中古のBDを買って改めて観た。3Dと相性が良いプロジェクターで観たので、3Dは良く出来ている。と言っても、飛び出る映像と言うよりも、奥行きがあるタイプで、3Dで有る必要性が感じられない。
公開時、そもそもの初期設定からして意味不明だった、009と002の確執とか、009が高校生である意味がソフトのオマケで付いているコミックでやっと分かった。(パンフレットには有ったのかもしれないが、パンフレットを買う気にもならない映画だったので)
ギルモア博士が009に銃を向けたり、ギルモア財団が襲われている時に、職員を見殺しにして自分たちだけ避難したりと、これがサイボーグ009?と言う違和感。
結局、敵?の正体も、最後のシーンと言うか世界がどうなっているのかも良く分からない状況。
元々、009と言うのは試作品サイボーグで、性能的には後から出て来る敵と比べたら劣っているのが、9人の団結と工夫で戦っていたモノなのに、今作では9人が揃う事も無い。008に至っては消息不明で最後になって再登場など、何故009でこの企画を考えたのかが分からない。
観直したけど、やはり難解
神山健治監督の最新作。
映画公開は去年2012年の末頃で、映画観に行ったんだけど、そのときはレビュー書くの忘れてた。
で、2013年5月22日にようやくDVDレンタル(発売)開始されたので、改めて借りて観た感想をさくっとまとめとこうと思う。
まぁ、観終わった直後の素直な感想としては、ひとこと。
「難解」ということ。
神山監督の作品は、「攻殻機動隊 S.A.C.」「攻殻機動隊 S.A.C.2」の2シリーズと「攻殻機動隊 Solid State Society」の特別編、アニメ版の「精霊の守り人」、アニメ版&劇場版「東のエデン」と、それぞれ観てきた。
この人の作品のテーマは結構一貫してるように思う。
「人としての強さ」というのは共通してるテーマだと思う。また、「攻殻機動隊」で扱っている「集団的集合無意識」は、今回の「009 RE:CYBORG」でも扱っているテーマの1つ。それを突き詰めたモノが、本作品の「神(彼)」という概念、と言って良いと思う。
私は石ノ森章太郎さんの原作は読んだ事がないけれど、原作にも「神」を扱っているエピソードはあるらしい。ただし、そのエピソードを完結することなく、氏はこの世を去った。おそらく原作では実際に物理的な力を行使できる「神」が出てくるんだと思う。「デビルマン」など昔の作品には「神」を題材にした作品が結構あるが、たいてい圧倒的な力を持った存在として「神」が描かれる。元々絶対的な存在なわけだし。
しかし、この作品は違う。
あくまで「神」は人間の「脳」の中だけに存在する、という作りになっている。
天使として描かれている小さな女の子も、あくまで象徴的な「イメージ」で、「脳」が作り出した「幻」として解釈できる。共通して聞こえる天使の声も、「集団的集合無意識」内から発せられた言葉として説明できる。
現に、連続爆破テロを起こしたのも、ドバイに原爆落としたのも、ジェットが見たと思った現象も、実際に実行したのは人間(サイボーグ)だったわけだし。
ただし、「天使の化石」は物理的に存在する、という世界観ではある。
(これは、原作に出てくる「神」のミイラ化した姿なのかな?辻褄合わせ?原作読んでみないとちょっとわからないな。。)
作品の中でフランソワーズに語らせている「神は克服できない試練を人間には与えない」という言葉。
私は無宗教なので、そんな存在はいない、という立場なんだけど、そう考えたくなる心理はわかる。そう考えることで、困難を克服するモチベーションにすることが出来る。何かしら宗教を信仰してる人は、土壇場で頑張れる要因が1つ多いんだろうなー、とは思う(反面、それは弱さでもあるんだろうけど。。)
もっとも、この作品の中では、「神」は存るとも存ないとも、どちらとも解釈できる作りにはなっているけども。
結局、神山監督が伝えたかったメッセージは、最後宇宙空間でジョーが語った以下の言葉に集約されてる。
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たしかに人は愚かな存在だ。
人が寄り集まると、抗いようのない集団無意識によって、いともたやすく堕落する。
けれど、人類一人一人は不完全であるがゆえに、予期しない驚きと新しい発見、そして無限の可能性を秘めている。
だからこそ素晴らしいんだ!!
だがあなたは、そのことに気づき、あなたの問いかけに答え、命がけでこの世界を救おうと抗った者達の想いを踏みにじるのか!
それでもまだ、人類を、世界を、滅ぼすというのか!
答えてもらいたい!神よ!!!
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素晴らしい「人間讃歌」。
理不尽に抗い続ける人間達への讃歌。
やはりこれが一番重要なメッセージなのだろう。
これは神山作品に通底しているテーマだと思う。
ただ、最後のシーンが、いまいちよくわからなかった。
それまでの話は「脳」の中だけで起きてる現象として説明できていたのに、死んだと思ってた島村ジョーやジェットが復活してしまっている。島村ジョー(&ジェット)やフランソワーズがそう願ったから、という理由だけでは説明がちょっと苦しい。
それとも、この最後のシーンは誰かの「脳」の中のイメージ(=夢)なんだろうか?
みんな水の上を歩いてたし。それならまだ納得できるけども。。。
であれば、それは何を意味してるんだ??
そして、エンドロールの月の「天使の化石」は?
「天使の化石」=「正義を成すために己を犠牲にした名も無き者達のモニュメント」という言葉を、最後にフランソワーズに語らせている。ひょっとして最後のシーンは、あの後何百年か経った後の世界で、あの月の「天使の化石」こそがジョー自身、だとか?それはちょっと飛躍しすぎかな。。辻褄は一応合うけど。
結局、自分の中で納得できる解釈が出来ていない。
だからこそ「難解」だな、と感じる。
何にせよ、観終わった後に、色んな人と語り合いたい作品ではある。
君はどんな解釈だと思った?って。
アクションシーン含めて、作品としては超一級品なので、まだ見てない人はぜひ借りて(買って)見るべき。そんな作品です。
Activate acceletor
大気圏重力落下の作品としては、最高傑作とも言える。超銀河伝説を映画館で鑑賞した世代としても最新の技術に圧巻の出来映え。SFアニオタとミリタリーオタクには堪らないね。天使の化石と言う新しい架設設定も想定外のスケールで繰り広げられるスピーディーな展開に感動の連続。後半にかけての島村ジョー、フランソワーズ.アルヌール、ジェット.リンクの00ナンバーに泣かされました。
姿が見えない”彼の声”…。
ProductionI.G.は“実体”のない脅威・存在を『攻殻』シリーズや『東のエデン』で何度も描いてくれたから、この新生『009』も同社じゃなきゃ描けなかった。特に“ISIL”や“ネットの誹謗・中傷”とか、歪が露わな今だからこそ余計に迫るものがあった。
露わと言っても知らないだけで、実際は傍にいただけで、実は僕が知らなかったか、知らない振りをしてただけかも…。この『009』にしても常に手がかりは“声”だけで、姿もなければ目撃もない。唯一目撃できるのは、モニター越しの“自分”だけ…。それが多分神山監督の狙ったとこかもしれないね。そういう想像をしてしまうのも、“全部伝えず、仄めかす”というI.G.流の社会派SFアニメの魅力と言えるかな?
ピュンマの活躍が全然で“お前どこで何してた?”だけど、社会派SFアニメというI.G.得意分野のジャンルを見れただけでも満足だね。でも続編はないのかな?
言いたいこと沢山あるけど…
言いたいこと沢山あるけど、一つにします。
えっとですね…サイボーグ戦士が全員集合するシーンがないってどういうことですかねえ?(半ギレ)ここをなんとかしてたら、数々の伏線の丸投げや、ジョーとフランソワーズの謎のラブシーンなどには目を瞑ってやれたのに…残念
ジェットがカッコいいから2.5!
グダグダになりがちな「神はどこにいる」モノを緻密な構成・作画でなんとか保たせた
3Dの邦画としては最高峰かな.Tジョイ配給でXpanD中心なのが残念.GDGDになりがちな「神はどこにいる」モノを緻密な構成・作画でなんとか保たせた.無理筋の展開や説明台詞の多さが鼻についたが、それでも着地でまぁいいかという気分にさせられてしまう.003がよい.
一神教の連中はこういう題材を無意識?に避けるからか,比較対象に思いつくのは日本の作品ばかり.ダークナイトも敵は人間だもんなぁ.「その後」を描こうとするとイデオン/エヴァになっちゃうので留めたのは賢明.
オチが落ちないからダメ
これを観てフランソワーズを好きにならない男はいないだろう、というくらい素敵。
小学生の頃見ていたTVの009とかなり違っていた。こっちのほうがリアルで良いと思う。
やはり最後が難解で胸糞悪い。キーワードは3つある。
「彼の声」「白い少女」「天使の化石」。私の中でどれもつながらない。
最後の場面はどこ?みんなはどう?フランソワーズが良い!!
3Dで動く絵はいいぞ!絵は!
ああいう神話的宗教的な話は石ノ森原作からそうなので、ストーリーの基本構造はそれっぽくてよい。
ブラックゴーストとの戦いの後、ばらばらになった彼らがどんな生活していたかも、それらしくていい。
身元不明のまま役者はできんもんね、グレートもフランソワーズも。
3Dで動く新しい00ナンバーズはいい。
うん、たしかにこれが見たかった。
3DテレビないのにBD買った。
しかしだ。
おなじみの戦闘服を着ないどころか、能力すら使わないメンバーがいるってどういうことですか。
確かに原作でもあんな扱い多かったけどさぁ……。
あと、正直なところ、オチのヴェネチア以降がさっぱりわからない。
結局世界崩壊して再構成したことになってるの?
フランソワーズの脳内世界?
ジョーへの感染ルートはつまるところフランソワーズ?
視聴後の感想が「え、結局どういうこと?」という……。
「ジョー、君はどこで落ちたい?」をやって終わったほうが個人的にすっきりできた気がする。
あとあれだ。
トモエがフランソワーズとタイプが違いすぎるのは、脳内のぞいてたフランソワーズ的にはいいのかい?
サイボーグ戦士 誰がために戦う
石ノ森章太郎の傑作漫画。
3度TVアニメ化され、2度目のアニメ版は以前レンタルで見た事あり、非常に面白かった。(♪サイボーグ戦士 誰がために戦う〜…という主題歌も印象的)
それぞれ特殊能力を持った9人のサイボーグ戦士という設定がワクワクさせ、各国の戦士が集う姿は現在のグローバル社会を予見したよう。各々のドラマもあり、物語も単なる勧善懲悪ではない。
石ノ森章太郎の死去で未完のままなのも伝説的で、日本のヒーローの中でも屈指の作品と言えるだろう。
そんな伝説的な作品が現代に復活。
しかも、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」などクオリティの高い作品で知られる神山健治監督の手によって。
これ以上ないコラボレーション。
原作漫画は米ソ冷戦時代を背景にした物語だが、テロや国際情勢など現代を舞台にし、かつて世界平和の為に戦い解散したサイボーグ戦士たちが未曽有の危機に再び招集する所から始まる。
世界各国で超高層ビルの連続爆弾テロが発生。何の接点も無いように思えたが、“彼の声”に煽動されていた事が明らかになる…。
物語のキーとなっているのは、“彼の声”と、“天使の化石”と、“彼の声”を聞いた者が見る謎の“少女”。
ネタバレになってしまうかもしれないが、それらは謎のまま終わる。見た人によって解釈が出来る。
“天使の化石”と“少女”は解釈が難しいが、“彼の声”については一つの答えが導き出せる。“彼の声”とは即ち、“神の声”だろう。
本作のベースになっているのは、原作漫画でも未完の“神々との闘い編”。
神は人を作り、人を愛し、その一方で神ほど人を殺した存在は居ない。
人は神を信じ、神に助けと救いを求め、その一方で人は神を捨て、神の領域に踏み込もうとする。
神の人に対する嘆きと悲しみ。
だが神とて、無意味に世界を滅ぼし、人類をやり直そうとしていた訳ではない。“声”を真に理解し、託せる者を探していたのだろう。
それを悪しく利用しようとする愚かな者たちも現れる。人の神に対する傲慢。
そんな混乱から世界を救うべく戦うサイボーグ戦士たち。
時に人に存在意義を否定され、全ての罪をなすりつけされようとも、何故世界の為に戦う? 誰がために戦う?
主人公009=ジョーも“彼の声”を聞き、ビルを爆破させようとしていた。しかし、それに抗った。神に問いかけ、人の希望を信じた。
その先に、彼は理想を見た。
もう少し009っぽいほうが良かったのかも…
映画館で、二回見ましたが…
神山監督が過去に扱った「攻殻機動隊」などよりも、009は原作自体が「より子供向け」で「ギミック」でしょうから、今回のような「筋書き」「背景」に作品世界を押し上げたことは、原作を知っている人たちからすれば、「一気に飛躍しすぎた」と感じるのかもしれません。
子供時代に見た009の「かっこいい」と思わせてくれたセリフやギミックな動き、独特なヒーロー感を、もう少し前面に押し出してくれればよかったかな…とも思うくらい、本作はすごく「大人じみた建て付け」になっています。(私は白スーツ、赤いマフラー時代の009から知っているので)
ただし一方では、この「大人じみた造り」があの才色兼備なフランソワーズを作り出したのだし、またそうでもしないとピュンマや他のキャラのような、それこそ「子供向け専用キャラ」の現代版再現が困難だった事情から、現代によみがえる009としてはこうやって再スタートするしか手が無かったのでしょう…それこそ題の通り「RE:サイボーグ」です。
この作品に限らず現代のアニメのいくつかは、大人をターゲットにしたリメイク作品も多く、よって作品の問題提起や時代背景が、大人というターゲットにあわせた政治的なもの、哲学的なものを取り扱う作品が多くなっていますが、この009もその例にもれず、この類の作品です。
この「現代風アレンジ」と、アニメならではの「子供世界で通じるようなカッコよさ」との違和感の無い「混合」に、作品監督の手腕が試されるところ。
このような視点で本作品を再考してみると、作画の素晴らしさも然る事ながら、神山監督の苦悩が垣間見るようでもあるし、本作品が「絶妙なバランス」で構成されている作品である事を発見できます。「決して万人受けする作品など存在しない」という現実を踏まえれば、「あの009を実に巧く現代に復活させた」と言えるのではないでしょうか。
他のレビューにもあるように、ストーリー性の低評価については、私としては限界があるように思っていて、ストーリー性を深めればサイボーグたちの「本来のヒーロー的な味」が相対的に弱められることになるだろうし、一方、個々のヒーロー性を過剰に強めれば、大人たちをターゲットにすることが出来なくなり、それこそ現代への「RE」が不可能になりかねない…。
ということから、上映版では尺の都合から、様々なシーンがカットされたであろうから、ぜひメディア発売時には、ノーカット版で発売してほしいと思います。それを視聴して初めて、本作の正確な評価ができそうな気がします。
また神山作品の良いところは、ジブリのように、声優に素人タレントなどを登用しないところ。
神山作品の世界観を再現するには、「職人声優」でないと無理だという事情もあるのだろうが、「映画プロメテウス」の主人公=ノオミ・ラパスの吹替えに、アイドルの剛力彩芽を起用し、日本の吹き替え史上に今後歴々と語り継がれるだろう「拭い去れない汚点」を残したあの「事件」を考えれば、
プロモーションや話題性だけを目論んで、作品の質を落とすような愚かな声優キャスティングを、今後も神山作品だけはやらず、今の姿勢を固守してほしいと真に思うところではあります。
ちなみに、本作の主人公「島村ジョー」の声優は、ガンダムダブルオーの「刹那・F・セイエイ」を担当した声優で、本人はバンド活動やタレント的活動もしている、声優としてはしっかりとした力量のある一流の「職人声優」です。
がっかり・・・
映像100点
ストーリー0点
みなさんもおっしゃっているとおり、映像は最高だと思います。
音楽もかっこよくて、いい感じです。
ところが、あまりにもストーリーが中途半端、繋がらない、オチもなく理解不能、、、ほどの衝撃的なしょーもなさで、映画終了時には観客の間で「えっ、まさかこれで終わり…!?」というざわめきまで起こってました。
赤の他人どおしが共通認識で結ばれた珍しい状況ですが、観客から一斉に溜め息と失笑混じりのざわめきが起こるなんて、こんなことは私の映画鑑賞史上初めてのことでした。
折角、これだけ素晴らしい映像を世界に発信できるのですから、いくらなんでも、もうちょっとは理解できるストーリーとシナリオを構築して、映画の完成度を映像と同じく世界最高レベルにまで高めてほしいところです。
しょーもないシナリオのせいで、映像が製作者のただのマスターベーションに成り下がっしまい、たいへん勿体無く感じます。
1,800円も払ってオチがないしょーもないストーリーに2時間弱も付き合わされて、消化不良満開でした。
金返せ!!!
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